インタビューでみるプロレスラーの仕事論

1.はじめに

みなさんはプロレスラーにどのようなイメージを持っていますか?

わたしのイメージは職人です。

彼らは、頑丈な肉体とプロレスの技術ももちろんですが、哲学が試合にすごく出るのです。

そこで、いろいろなプロレスラーのインタビューから、仕事に対する考え方が出た言葉を拾ってみました。

その言葉は、わたしたちの仕事や生活にも参考になるのではないかと思います。

みなさんも自分の仕事と照らし合わせてみてください。

2.プロレスラーの仕事論

【棚橋弘至】

(厳しい批判がある状況で、あきらめそうになったことは?)僕は覚悟を決めていましたから。トップに立つ選手は、全ての批判を矢面に立って受け止めなくてはならない、そうしなければ誰もついてきてくれない、と。

プロレスをもっとカジュアルに楽しんでもらう雰囲気をつくりつつ、試合内容としては従来からのファンの方々にも「お、やるな」と納得してもらえる高いレベルのものを見せる。そして『対世界』『対過去』、どんなものと比べられても絶対に負けないものを生み出す。確かにハードルは高かったですが、これはもう意地ですよね。

【さくらえみ】

(働く女子と、女子プロレスの共通点は)『負けても終わらない』『仕方ないことはある』とか・・・そのへんでしょうか。

総合格闘技と違って、プロレスは、『立ち上がることを見せるスポーツ』なんです。人は何度でも立ち上がる、というところを見せる競技なんですね。

勝つのを見せるのも、負けるのを見せるのも仕事なんです。

今日はあきらかに情けない思いをするな、という戦いもあるんです。でもみっともない姿をさらさなきゃいけない、でもリングの上だから涙も流せない。

そんな試合でも続けていけば、将来勝った時の伏線になるので、自分の人生をどこで終息していくか考えながら、嬉しいことも悔しいことも、お客さんの前でするのがプロレス、と思っています。

【高岩竜一】

契約更改のときに永島(勝司)さんや長州(力)さんたちから「おまえ、リング屋になる気はないか?」って言われて。なかなか芽が出なかったこともあって、デビューしてから2〜3年はそんなことを言われ続けましたねぇ。そのあいだに同期の大谷(晋二郎)がバーッと伸びていたし、「俺はもうダメかな・・・」と思ったんですけど、頑張って新日本に居続けようと。とにかく居座ろうと(笑)。そうすればなんとかなるかもしれないし。

【高木三四郎】

いわゆるプロレス団体といってみなさんが思い浮かぶのは、新日本プロレス、全日本プロレス、ノアといったメジャー団体でしょう。なかでも新日さんや全日さんは40年以上もやっている王道の中の王道。正面から勝負したところで、その歴史には勝てません。そうした団体と差異化をはかるには、どうしたらいいかと考えました。それで僕ら(DDT)は、アメリカのプロレス団体WWEのエンターテインメント路線を取り入れようと思ったんです。

【男色ディーノ】

(学生プロレスと職業としてのプロレスの違いは?)学生プロレスはね、美大生が作品を作って見てもらうっていう感覚と同じ。もちろんその場合でも、自分の作りたいものじゃなくて、見た人がどう感じるだろうという計算もあるわけよね。学生プロレスと職業としてのプロレスの違いは、その二つの比重をどちらに置くかが一番大きいんじゃないかしら。

【福田洋】

(プロレスラーに向いている人は)人の気持ちがわかる人。人の気持ちを考えられる人。よくプロレスを観ている人。何事も楽しめる人。あとは自分が好きな人です。

人の気持ちがわからないと、人を喜ばせたり楽しませたり、人の感情を動かしたりできないですよね。プロレスは格闘技ですし、戦うわけですし、決して楽しそうなことじゃないですが、それを、どうやれば、楽しむだろう、驚くだろうと考えられることが大切です。

また、プロレスラーはみんな自分が好きです。どんな変な格好をしていても、自分のやっていることを肯定できない人はプロレスラーには向いていません。

【藤原喜明】

(カール・)ゴッチさんは、技は知ってるけど教えてはくれないんだよ。だから、ゴッチさんが技を見せてくれて、「ゴッチさんは凄いな」っていうのは分かるんだけど、「今、どうやったの?」っていう部分は全く覚えてない。だから、分かったのは「ゴッチさんは凄い」ってことだけなんだな(笑)。

だから、これじゃダメだと思って、1日1つ、2つでも頭に入れてさ。後の技は知らんぷりして、毎晩遅くまで全部ノートに書いてさ。でもってスパーリングやりながら、「どうして極まるんだろ?」って考えて、考えて。全部復習してコツコツやって完成したのは10年後くらいか。誰も教えてくれないからな。教えるってことも分からないし。

【真壁刀義】

よくファンのヤツらが「忙しくて、練習時間がとれないんじゃないですか?」とか言ってるけどさ、「いやいや、それでも練習時間をとるのがプロだから」と。逆に言うと、練習時間がなくて困ってるんじゃなくて、ある場面では、「ヨシ、今日は体を休めよう」とハッキリ決断するのもプロなんだよ。

【丸藤正道】

(プロレスを辞めていく人と辞めない人の違いは)プロレスに対する純粋でアツい想いがないと、プロレスを続けることは絶対に無理ですね。

新人として入ってきたばかりの時に、練習についていけないのは当たり前で、それは全員が経験しながらデビューしていくことなので、やれば誰だってできるんです。

ましてや団体に入門できない人たちもいる中、やっとこさ入ってきた上で1日やそこらで逃げちゃうのはもったいないなと思います。

その日できなくとも、1週間後にはできているかもしれないし、1ヶ月後には余裕でこなせているかもしれないのに・・・。

【武藤敬司】

根性論には限界があるよな。1週間根性論やったところで、根性をもう少し落として1年やってる奴には絶対勝てない。さらに、もっと落として10年やってる奴には勝てない。俺たちは非日常を求めるけど、その作り方は合理的なんだ。そうしないと、もたないんだよ。

【大和ヒロシ】

どんなに頑張っていても人目につかなければ新規の開拓が出来ないことを痛感し、自分がプロレス以外の分野(俳優業)に足を踏み入れようとしていることを、何かの形でプロレスを広めることに活かせないかと考えるようになったんです。

そう考え始めてからは、「自分のためのプロレス」をやめて、プロレス自体を広め宣伝するためにリングに立つようになりました。

不思議と、そんな風に吹っ切れてレスラーを続けていくと、経験を積むとともに技術も磨かれていくため、段々試合に勝てるようになっていったんです。

【蝶野正洋】

(自己プロデュースは)基本的に目立つことが大事で、人と同じことをしちゃいけない。皆がいいことをするなら1人悪いことをする、その逆もそう。ただしそればっかりやっていると自分がどこに向かっているのかわからなくなるので、最終的に「自分がどうなりたいか」だけはしっかり考える。

3.最後に

いかがでした?

あなたの仕事との共通点はありましたか?

プロレスラーの仕事に対する考え方が、少し見えたと思います。

魅力が伝わるとうれしいです。

彼らをもっともっと応援してくださいね。

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