寄生獣 完結編

「寄生獣 完結編」を観ました。

寄生獣 完結編 – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは市役所にどんなイメージがありますか?

楽そう?

大変そう?

めったに行かないから分からない?

わたしは『案外、人が多い』です。

今回は、市役所が寄生生物の要塞となってしまう物語“寄生獣 完結編”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

ある警察の一室に、浦上が連れてこられます。

彼は、快楽殺人で捕まった凶悪犯です。

浦上の目の前にはマジックミラーがあり、その向こうには椅子が一つ置かれています。

彼は、一目見るだけで判別がつくらしく、これから入ってくる人間を見分けるのです。

まず男が1人入ってきます。

「違う」

若い女が入ってきます。

「おほー!!久々に若い女を見たぜ!!」

おばちゃんが入ってきます。

「なんだよ!!おばちゃんに用はないんだよ!!」

そして、男が1人入ってきました。

浦上の顔が真面目になります。

「おい。まっすぐこっち見ろって伝えろ」

男は指示されたとおり、顔を上げます。

その目をジッと見つめる浦上。

「そうだ。こいつはそうだ」

警察官が部屋に入り、男を取り押さえます。

服を脱がすと、下からギターと着流しが出てきました。

そして、ギター侍を『一発屋』と書かれた部屋に放り込みます。

近くにいた刑事が呟きます。

「本物だ・・・。浦上の一発屋を見分ける目は・・・」

3.感想

映画「寄生獣」の後編です。

マンガとは切り離して、感想を書いていきます。

泉新一は寄生生物狩りをしています。

寄生生物を一匹でも倒せば、人間の犠牲者が減ると考えたためです。

新一はその考えにとりつかれ、「市役所に乗り込んで、この街を乗っ取った寄生生物どもを皆殺しにする」とまで言い、ミギーを引かせます。

考えが過激になっています。

それは、母親の復讐の気持ちが強いからなのか、胸の傷の再生のために体に散らばったミギーの細胞のせいなのか。

新一は、復讐に燃えながらも、だんだん自分が自分で無くなっていく事に恐怖を感じています。

「泣けないんだ俺。人間らしい心が無くなった」という言葉は、彼の悲鳴ですね。

新一に人間らしい心がある事を感じさせたのは、母親の愛でした。

田宮良子の母性から来る自己犠牲を目にして、母親の泉信子を思い出し、泣くのです。

田宮に託された赤ちゃんと、自分自身を重ねあわせたのでしょう。

そして、新一を人間の世界に必死で引きとめようとするのが、村野里美です。

彼女がそばに居るから、彼は自分を見失わずに済んだのでしょう。

そして、わたしが選ぶこの映画の主役、田宮良子です。

彼女は、ずっと人間との共存をめざしていました。

しかし、その考えが仲間に受け入れられることはありませんでした。

「今はまだ人間を食べたがるが、少しずつ人間以外の食料に慣れるよう仲間を教育していく」というセリフは、パッと見ではショッキングなセリフですが、彼女が本当に共存の道を模索していた事が表れています。

多分、ミギーを知ったからでしょう。

ミギーは人間を食べず、新一の栄養で生きています。

だから、自分たちも可能だと考えたのでしょう。

また、田宮は人間についてよく研究をしていました。

「人間は、何十、何百、何万、何十万と集まって、1つの生き物なのだということ。人間は、自分の頭以外にもう1つの巨大な脳を持っている。それに逆らったとき、私たちは敗北する」

これは人間社会の事でしょう。

人間と寄生生物の違いは、社会が形成できるかどうかです。

寄生生物は、本能のまま行動する事が多く、社会が形成できていません。

指揮を執っていた市長の広川剛志は人間でした。

田宮良子は、赤ちゃんが出来た事で、母性が芽生えます。

赤ちゃんが泣くと、「黙れ」と一喝していた彼女が、倉森の真似をしてあやすようになります。

そして、微笑むのです。

愛おしさを感じたのです。

彼女は、ひとつの結論を導き出します。

「人間にとっての我々、我々にとっての人間とはいったい何か?私の出した結論、それは併せてひとつ。寄生生物と人間は1つの家族だ。我々は人間の子供なんだ」

田宮良子は人間に近付こうとした寄生生物でした。

学校という社会にとけ込み、人間と同じ食事をとり、人間の赤ちゃんを産み、母性が目覚めました。

人間となんら変わりのない生活が出来たのです。

だから導き出された結論なのです。

田宮良子は、自分が人間について語った言葉を体現しながら亡くなります。

「人間は、時に自分自身よりも大切な他者を持つ」

自分は銃で撃たれながらも赤ちゃんを守った彼女は、寄生生物と人間のどちらだったのでしょう?

そして、田宮良子に『人間と寄生生物を結ぶ希望』だと言われた泉新一とミギーです。

彼らは、田宮の目指した共存の姿です。

ミギーもまた、新一と生活する事で変化が起こっています。

それは、後藤との戦いで新一だけ逃がそうとするのです。

これは、寄生生物では田宮良子しか見せなかった“自己犠牲”です。

そして、印象的なラストです。

新一が、浦上にビルから落とされた里美を救う場面です。

ミギーは、「(子犬の死で悲しみを感じるのは)人間が違う種の苦しみを感じ取れる生き物だからさ。自分と違う生き物と寄り添って生きていける。それは人間が持つ愛おしい特性だ」と語ります。

眠ったはずのミギーが手助けをしたのは、新一の苦しみを感じ取ったからです。

ミギーは人間に近くなり、『思いやり』を持っているのです。

まさに2人は希望ですね。

わたしが印象に残ったのは、三木を演じていたピエール瀧さんです。

彼がとある事務所に突撃したとき、「ぶっこむぞ!!」という声が聞こえてきそうでした。

意味がわからない方は『凶悪』という映画をご覧ください。

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