リプリー

「リプリー」を観ました。

リプリー – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは、他人と入れ替わりたいと考えたことはありますか?

わたしはないかな・・・。

一見幸せそうに見える人でも、裏ではどんな苦労があるかわからないですしね。

わたしの中のネガティブ思考が、「やばいよやばいよ」と耳打ちをするのです。

今回は、派手な男に憧れた地味な男の物語“リプリー”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

トム・リプリーは、ディッキー・グリーンリーフと出会うため、海へやってきます。

自慢の蛍光色の海パンで海へ向かうリプリー。

ディッキーは、恋人のマージ・シャーウッドと一緒に日焼けをしています。

一度、2人を通り過ぎて、海に入るリプリー。

心の準備が必要です。

手のひらに『人』と3回書いて飲み込みます。

意を決したリプリーが2人に近付きます。

「ディッキー?」

「君は?」

ディッキーがいぶかしげに見ます。

「トムだよ。トム・リプリー」

「トム・リプリー?」

「プリンストン大で・・・」

「知り合いか?」

「僕は君を知っていたから、君だって僕を知っている」

無理矢理な理屈で押し切ります。

「彼女はマージ」

ディッキーはマージを紹介します。

マージは手を差し出します。

「トム・・・名字は?」

「リプリー。よろしくマージ」

リプリーは握手をします。

「ここで何を?」

ディッキーは尋ねます。

「だって夏じゃない」

「そうね」

「夏を待ちきれなくて」

「へ?」

「夏を抱きしめて」

「は?」

「ゆずれない夏」

「何を?」

「あの夏を探して」

「彼、面白い人だわ。ランチに来て。いいでしょ?」

マージにはハマったようです。

「Yheei!」

リプリーは陽気に答えます。

「さよならイエスタデイ」

リプリーは2人に手を振り、ホテルに戻ります。

彼は、TUBEの曲名で会話をして、何とか乗り切ったのでした。

3.感想

何とも悲しい気持ちになる映画でした。

トム・リプリーは、パーティーで手を痛めたピアニストの代役を務めます。

その時に、プリンストン大学の上着を借りて着ていたため、ハーバート・グリーンリーフに声をかけられます。

ハーバートの息子ディッキーがプリンストン大学の卒業生のため、同級生と勘違いしたのです。

そして、妻が病気で弱っているので、イタリアに住んでいるディッキーを説得して帰国させてほしいとお願いされるリプリー。

報酬は1000ドルです。

承諾したリプリーは、イタリアへ行くのです。

トム・リプリーは、本当の自分に自信がありません。

ディッキー・グリーンリーフに持っている才能について聞かれた時、「サインの偽造、ウソをつくこと、他人の物真似」と答えています。

そういえば、原題は「The Talented Mr. Ripley」ですね。

「リプリーの才能」です。

彼の才能は、他人へのあこがれに起因している気がします。

誰でも、小さい頃にテレビや映画のヒーロー・ヒロインにあこがれた事があるでしょう。

そして、彼らのようになりたいと真似をします。

リプリーは、それをずっとやってきて、才能にまで昇華したのでしょうね。

リプリーにとって、ディッキーの生き方は魅力的だったでしょう。

明るくて人気者でオシャレ、自分の好きな事だけをやって悠々自適に生活しています。

二人は、一緒に生活をする事になります。

リプリーは、同性愛者のようです。

憧れから恋心に変わっていきます。

しかし、ディッキーはリプリーに退屈さを感じ始めます。

ディッキーの恋人のマージ・シャーウッドは、「彼は、気に入っている時は誰よりも大切にして、飽きると冷たくなる。新しい人が現れるといつもそう」とリプリーを慰めます。

そして、どこまでもついてきて離れようとしないリプリーに、ディッキーはキレるのです。

「マージと結婚する。君といることに疲れた。君は寄生虫のように離れない。うんざりだ。君は退屈な奴なんだよ」

そして、リプリーはディッキーを殺害するのです。

リプリーは、憧れのディッキーに成り代わり、二重生活が始まります。

きっかけは、ホテルのフロントでディッキーに間違えられたことでした。

ほとんどの人が、外国人の顔の見分けがつかないと気付くのです。

外見の雰囲気を変えて、ホテルで試すとすんなりいけます。

しかし、こんな生活がずっと続くわけはありません。

気付く人も出てきます。

ディッキーと仲の良かったフレディ・マイルズです。

完全にバレた時に、リプリーはフレディを殺害します。

二重生活はどんどん破綻していきます。

リプリーは、ベネチアでピーター・S・キングスリーに会います。

「人を殺して、何事もなく普通の生活ができるか?」というピーターに、リプリーはこう答えます。

「たとえどんなにむごく恐ろしい行為でも、頭の中では利にかなっているんだ。誰も自分を悪人だと思わない。自分の過去を暗い地下室に押し込め、鍵をかければいい。僕はそうする。大切な人と出会い、鍵を預けたいと願う。“扉を開けて入っておいで”と。でも、鍵は渡せない。地下室は暗く悪魔が棲むから。心の奥をさらけたい。扉を大きく開け放ち、まばゆい光で清めたい。巨大な消しゴムですべてを消せるなら、僕の過去を消したい」

そして、ピーターとカップルになります。

マージは、ピーターと行方不明になったディッキーを捜していました。

彼女は、リプリーの部屋で指輪を見つけます。

それは、ディッキーがいつもはめており、大切にしていた指輪でした。

人にあげるはずはありません。

これで、彼女はリプリーを完全に疑います。

この時の言い訳をするリプリーは、ディッキーとリプリーがごちゃごちゃになっているように見えました。

リプリーは、ピーターが呼び寄せたハーバートと会います。

彼は、マッカロンという私立探偵を雇い、すべて調べていました。

リプリーは、プリンストン大学音楽学部のピアノ調律師でした。

そして、ディッキーは大学時代、パーティーで女をめぐって男を半殺しにした過去がありました。

被害者は、頭部を数回蹴られ入院。

あごを針金でつなぎ、聴力を失いました。

その件があり、ハーバートはディッキーをヨーロッパに行かせたのです。

過去を詮索されないので。

ハーバートはリプリーを咎める事もなく、手を切る事でアメリカに帰っていきました。

マージはリプリーを責めていました。

しかし、ハーバートやマッカロンは「本当のディッキーを知らない」と言っています。

多分ディッキーは、大学の事件以外にも、人に言えない事をいろいろやっていたのでしょう。

リプリーは、ピーターとギリシャに向かう船に乗ります。

そこで、メレディス・ローグと再会します。

彼女は、繊維産業の名家の娘で、ディッキーになり切っているリプリーの事が好きなのです。

ここでも、リプリーはディッキーになり切って話をします。

そして、キスをするのです。

ピーターの部屋を訪れるリプリー。

ここで、自分の事をディッキーと言い間違えます。

もう、リプリーとディッキーが混濁しているのです。

リプリーはピーターに告白します。

「自分でもわからない。あの地下から出られない、一生・・・秘密が眠る恐ろしい場所・・・僕は一人きり、真っ暗だ。僕は偽った。自分が誰か、どこにいるのか、誰も僕を見つけられない。他人になり代わりたかった。注目される誰かに。つまらない自分は嫌だ」

そして、ピーターにトム・リプリーのいい所を言ってもらいます。

その言葉を聞き、トム・リプリーを感じながら、ピーターを絞殺するのです。

これは、トム・リプリーという人格を殺すためだったのでしょう。

ディッキー・グリーンリーフとして生きていくつもりなのです。

ギリシャへ行けば、身近には彼がトム・リプリーだと知る者はいませんから。

結局、トム・リプリーとディッキー・グリーンリーフは似た者同士なのかもしれません。

2人とも、自分の過去を暗い地下室に押し込め、鍵をかけているのです。

ディッキーの熱しやすく冷めやすい性格は、友達と深い付き合いをしないためのようにも見えますし、いつも楽しそうなのは過去を忘れるためのようにも見えます。

彼は、地下室の鍵をマージに渡そうとしたのでしょうね。

トム・リプリーは、ディッキーと同じような運命をたどるような気がします。

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