散歩する侵略者

「散歩する侵略者」を観ました。

散歩する侵略者 – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは、散歩が好きですか?

わたしは、あまり散歩しないんですよ。

なぜか穏やかに散歩が出来ないんですよ。

多分、いつも下を向いて歩いているからですね。

・・・

大丈夫、今は上を向いていますよ。

涙がこぼれないように。

今回は、散歩をしながら概念を集める宇宙人の物語“散歩する侵略者”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

鳴海の夫・真治が、数日間行方をくらまし、別人のようになって帰ってくる。

これまでの態度が一変した夫に疑念を抱く鳴海。

突然、真治からある告白をされる。

「実は、お笑い芸人を目指して大阪へ行き、地下ライブに出演していたんだ」

戸惑う鳴海。

そして、ゆっくり口を開く。

「だから、急に変な大阪弁を使い始めていたのね・・・」

3.感想

なんだ、こりゃあ・・・。

何とも言えない感情が残るよ。

これは、何なのか。

この作品。

最初から最後まで不協和なのです。

歯車がカッチリ合わないというか。

でも、それが3人の宇宙人の不完全さと相まって良いんですよ。

多分、黒沢清監督は意識的にやっているのでしょうね。

この物語は3人の宇宙人がメインです。

しかし、彼らよりも目を引いたのは、ガイドとなる桜井と加瀬鳴海です。

やはり、地球に住む人間としては、彼らとどう対峙するのかという視点で観てしまうのですよ。

桜井と鳴海は、どう関わったのか。

それぞれ考えてみます。

まず、桜井です。

彼は、宇宙人に体を乗っ取られた天野と立花あきらのガイドとなります。

人間と宇宙人の間に挟まれ、心が揺れ動く桜井。

そして、最後は天野に体を奪わせるのです。

なぜ、桜井はそんな事をしたのか?

それは、地球に住む人間に絶望をしてしまったからです。

彼は、初めからずっと人間とケンカをしていました。

登場シーンは携帯電話での言い合いですし。

物語中ずっと、誰も桜井とまともに話をしないし、相手をしていないのです。

彼は人間に拒否され続けているのです。

そんな桜井とまともに会話をしているのは、天野と立花だけだったのです。

そりゃあ、心は宇宙人に傾きますよね。

そして、桜井に決定的な事が起こります。

立花が亡くなった後に行った人間たちへの演説です。

周りは全くの無反応。

端から見ていれば、当然の反応です。

しかし、これが桜井にとっては大きな出来事でした。

「ああ、俺の言葉は地球の人間には届かないのか・・・」

こうして、人間に絶望し、天野に協力をしていくのです。

次に加瀬鳴海です。

彼女は、宇宙人に体を奪われた加瀬真治の妻です。

宇宙人による侵略が始まると知り、真治に「愛」という概念を奪わせます。

そして、何も感じない人間となってしまうのです。

それは、そうですよね。

「愛」があるから「情」が生まれ、様々な感情に枝分かれをしていく。

人間の感情って「愛」を中心に形成されているのです。

その中心である「愛」が無くなってしまったら、人間では無くなってしまいます。

裏を返せば、「愛」をもらった真治は人間となりました。

そして、初めて自分がやってしまった事の重大さを理解したのです。

真治は、侵略を始めた宇宙人に何か働きかけたのか・・・。

それが、宇宙人が侵略を止めたきっかけになったのでしょう。

宇宙人の侵略の手助けをした桜井と、それを止めた鳴海。

図らずとも、地球に住む2人の持つ感情が、侵略に大きく関わってしまったのですね。

この作品。

設定だけ見ればバカバカしいのですが、人間について深く考えさせられてしまいました。

すごいなあ。

良い作品でした。

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