「プリースト 悪魔を葬る者」を観ました。
みなさんは悪魔祓いを信じますか?
時々、テレビ番組でやっていますよね。
女性がまるで悪魔のような形相になり、男のような声で叫んでいる姿。
その女性に聖書を読みあげる神父。
なんか、恐ろしいながらも幻想的な光景です。
この悪魔祓いについては、わたしは本当のところはわかりません。
でも、この儀式をする事で救われる人がいるのなら、それで良いのかなとは思っています。
今回は、悪魔祓いに命を懸ける男たちの物語“プリースト 悪魔を葬る者”です。
ひき逃げ事故に遭った女子高生ヨンシン。
彼女は自殺を図ろうとし、その後、昏睡状態に陥ってしまう。
彼女の肉体が何者かに乗っ取られたと感じたキム神父。
その何者かを追い払う儀式を行うことを決める。
三連の太鼓を持ち出し、リズム良く叩く神父。
「だいじょうぶだ~」
周りが暗くなっていく。
そして、ヨンシンに取り憑く何者かが現れた。
「ちょっとだけよ~」
ピンクのスポットライトの中、ヨンシンから現れるハゲ親父。
キム神父は、そのハゲ親父に飛びかかるのであった。
すごくおもしろかった!!
これは素晴らしい。
新たなエクソシストの形が現れました。
まず、この作品のすごいところは、悪魔祓いをする神父の立ち位置です。
いまどき悪魔祓いなんて世間に理解されない。
だから、悪魔だけではなく、世間とも戦っているのです。
どんなに人を救っても、理解されない。
そんなジレンマを抱えているのです。
今までのエクソシスト系のホラーでは、神父は英雄でした。
報われる事は少ないですが、周りは彼らを理解しており、敬っていました。
今回は、それがないのです。
まさにダークナイト。
今回の主役キム・ボムシン神父とチェ・ジュノ。
キム神父は評判が最悪です。
補助司祭が続かず、かなりの人数が辞めているのです。
初めは彼の性格が問題かと思っていました。
まあ、デリカシーがないですしね。
ジュノとの初対面で、妹の死について根掘り葉掘り聞いていましたし。
これは面倒くさい人だと、わたしも思いました。
キム神父は、ヨンシンを助ける事にこだわっていました。
かわいがっていた信者だからです。
だから、悪い奴ではない。
それでは、なぜ彼の補助司祭が続かないのか?
それは、ヨンシンに憑いた悪魔(マルベス)が強すぎたからなのでしょう。
ジュノがされた事を思い出してください。
恐怖心をあおられ、トラウマを掘り起こされて責められ、梅毒にされたのですよ。
キム神父も梅毒に侵されていました。
こんなの自分がされたら嫌だ。
そりゃあ逃げ出しますよ。
また、キム神父にはわいせつ行為疑惑がありました。
これも悪魔の周りを不信に追い込むためのウソなのでしょうね。
今までの補助司祭は、こんな怖い思いをしてまで悪魔祓いをする事に、付き合い切れなかったのでしょう。
それでは、なぜジュノはキム神父についていけたのか。
それは、亡くなった妹の存在が大きかったようです。
ジュノは、犬に襲われた妹を置いて逃げてしまった事に、負い目を持っていました。
それと同時に、妹に対する申し訳なさも抱えています。
それが、あの路地の間に現れた妹によって払拭されたのです。
あの笑顔で許されたのですね。
これで、ジュノは強くなれたのです。
キム神父とジュノの悪魔祓いのシーン。
凄かったですね。
わたしは宗教の素養がないので、あの聖書の言葉や使っている道具などはよくわかりません。
でも、何か効いていると思うのです。
そして、悪魔の抵抗。
ジリジリと真綿で首を絞めるような恐怖心のあおり方。
たくさんの虫が現れたり、心をいたぶる罵詈雑言を浴びせたり、心を乗っ取ろうとしたりします。
この戦いが静かだけれど凄まじいのです。
これは並大抵の精神力じゃ無理だわ。
そして、あのかわいい子ブタちゃんがあんな事になるなんて。
悪魔恐るべし。
ヨンシンは、マルベスが入った子ぶたを運ぶ車とぶつかったから、取り憑かれてしまったのですね。
なんて不運なんだ・・・。
本当にキム神父とジュノのコンビは良かったです。
また観てみたいよ。
続編できないかな。