寄生獣

「寄生獣」を観ました。

寄生獣 – Yahoo!映画

今回は原作にも触れていますので、原作が未読の方はお気を付けください。

1.テーマについて

この映画は、「母親」をテーマの柱として物語を作っていました。

だから、原作でも印象に残る母のエピソードが盛り込まれています。

新一の母の右手の火傷、田宮良子の母親のエピソード、田宮の母性を知りたいという実験など。

あと、母子家庭にしているのも、母と子の結びつきを強くするためですね。

最後の母親との戦闘でも、大きく原作と変更しています。

映画・・・新一を突き刺そうとする寄生獣の刃を、母親の火傷の痕のある右手がずらして助ける。そして、新一が首を切り落とす。

原作・・・首を切り落とそうとする新一が、顔をかばう寄生獣の右手の火傷の痕を見て躊躇する。その瞬間、宇田さんとジョーが首を切り落とす。

これは、宇田さんとジョーがいるから成立するので、彼らが出てこない映画版では仕方ないのかもしれません。

わたしは、宇田さんの「やっぱりきみがやっちゃ・・・いけない気がする」のシーンで感動したので、ぜひこの2人を実写で見たかったです。

映画の首の切り落としは、新一の親離れだったのかもしれません。

2.背景について

背景が印象に残ったので、書いておきます。

まず、寄生獣の食堂です。

鉄筋コンクリートで、余計な装飾品のない無機質な部屋です。

画面全体も青みがかっていて、寒々しい印象になっています。

対照的に新一の家です。

物が必要以上にあります。

台所には、絶対使わないだろうという数の鍋や食器が置いてあります。

陽光が差し込み、温かさが感じられます。

そして、新一がAと島田に初めて出会う水族館です。

ここで、田宮から寄生獣のネットワークの話を聞きます。

後ろには、魚群がブワーッと。

その、統制が取れ一方向に向かって進む姿は、田宮の考えるネットワークを表しているようでした。

田宮良子が、実験室で実験をしながら「実験よ」と言うのは、「そのままや」とツッコんでしまいました。

3.弓矢と投石について

この物語には、クライマックスに島田にとどめを刺すシーンがあります。

その方法は、原作と変更されています。

映画・・・ミギーが弓に変形して、パイプの矢を飛ばし、島田を貫く。

原作・・・石をつかんだ右手が変形して、投石で島田を貫く。

この変更は残念でした。

投石は、人間が狩猟をする時の根源的な行為です。

それを、ミギーと新一が共同でする事に意味があるのです。

弓矢ではそれがあまり伝わりませんでした。

4.マンガを実写映画にするという事

マンガを実写映画にするのは、大きなリスクがあります。

それは、原作マンガを読んでいる人は、“原作を満点にした減点方式”で観てしまうからです。

原作が名作であればあるほど、減点は厳しくなります。

今回の寄生獣もそうでした。

わたしは、初めは「おお、ミギーが動いてる」と感激しました。

しかし、映画が進むにつれ、「ああ、宇田さんとジョーは省かれたのか」とか「加奈ちゃんは出ないのか」と、意識しなくても思ってしまうのです。

それがノイズになり、残った感想は「やっぱり原作には届かないな」となってしまうのです。

もちろん、山崎貴監督やスタッフが頑張っているのは理解しています。

あの壮大なストーリーを前編と後編の4時間で押し込むのは大変だと思います。

いろいろな制約もあったと思います。

あの学校襲撃の廊下のシーンをやったのもすごいです。

しかし、リスクが大きいと感じ、「なぜマンガを実写映画にしてしまうのだろう」と思ってしまうのです。

昨年、父と話す機会がありました。

「最近、面白かった映画は何だった」と聞くと、“るろうに剣心”と答えました。

もちろん父は原作マンガは読んでいません。

しかし、あの剣術アクションが新鮮だったようです。

原作マンガを知っているわたしは、「相楽左之助は、あんなバカじゃねえ」という感想だったのですが。

だから、原作マンガを知らない人には、届いているのでしょう。

今回の寄生獣もすごくよく出来ていました。

ただ、頭の中のノイズがうるさいのです。

ああ、映画を観るときだけ、原作を忘れられる薬とか出来ないのでしょうか。

いや、薬はなんか怖いから帽子とか。

今回は、名作マンガの実写映画だったので、心の中のツッコミがうるさかったです。

しかし、山崎貴監督は寄生獣が好きなのは伝わりました。

「寄生獣 完結編」も観るつもりです。

映画版はどういう決着をつけるのか、見届けようと思います。

あと、映画中、橋本愛さんと東出昌大さんが並んでいるのを見て、“桐島、部活やめるってよ”を思い出したり、染谷将太さんの走り方が、“フォレストガンプ”のトム・ハンクスに似ているなとか考えていました。

染谷さんごめんなさい。

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