永い言い訳

「永い言い訳」を観ました。

永い言い訳 – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは、最近おもいっきり泣いた事はありますか?

もう、声をあげてウワーンと。

子供みたいな大泣きです。

多分、気持ち良いでしょうね。

すっきりするでしょう。

わたしは泣いたのかって?

泣かないですよ~。

親にキツく言われているのです。

大人が泣いて良い時は、親が死んだ時と足の小指を柱にぶつけた時だと。

だから泣かないのです。

あ、ちょっとトイレ。

ガッ

ウワーン!!

今回は、妻の死で泣けない自分に悩む男の物語“永い言い訳”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

人気小説家の津村啓こと衣笠幸夫。

彼の妻で美容院を経営している夏子は、何者かに襲われこの世を去ってしまう。

幸夫は妻の死に悲しむことができない。

それは何に襲われたからか?

フリップでお答えください。

さあ、文化人チーム逆転なるのでしょうか?

それでは答えを見てみましょう。

こちら!

『鵺』

残念!

それじゃあ悲しんじゃいますよ。

3.感想

あぁ。

苦しかった。

西川美和監督は、相変わらず痛いところを突いてきますね。

妻を事故で亡くした衣笠幸夫と大宮陽一。

もちろん悲しみにくれるのですが・・・。

衣笠幸夫は夏子の死に泣くことはありません。

その姿は、端から見たら冷たい人間のように見えます。

陽一は、妻のゆきを思い出しては泣きますので、余計に幸夫は冷血に見えてしまいます。

しかし、わたしには幸夫がずっと苦しんでいるようにしか見えませんでした。

自分の中の感情を表に出せない人がいるんですよ。

みんながみんな陽一のように悲しめるわけではないんですよね。

わたしもどちらかと言えば、幸夫と同じタイプです。

大切な人が亡くなれば、心の中は悲しいのです。

しかし、それをうまく表に出せない。

周りが悲しんでいるほど、逆に冷静になってしまったりするのです。

自分の身に起こっている事が現実とは思えず、まるでお芝居の中に放り込まれた感じがして、どこか俯瞰で見てしまう。

それが幸夫の葬式での対応なのです。

しかし、骨を拾う時に幸夫1人だけってのは、さすがに夏子がかわいそうですよね。

夏子の美容室で働いていた琴江が怒るのも無理はありません。

当然、幸夫は「あれ、悲しめない自分はおかしいのではないか?」と考えてしまいます。

そして、ダメな人間だと思い、自分を責めるようになるのです。

葬式の後、家に帰った幸夫はエゴサーチをします。

あれは、葬式で周りは泣いているが、喪主である自分は悲しめなかった。

やはり自分はおかしいのか?

そして、そんな自分が周りに気付かれていないかをチェックしていたのですね。

そんな時に、陽一と出会います。

妻の死に悲しむ彼。

感情を表に出すタイプの男です。

幸夫は彼と行動を共にするようになります。

多分、彼と自分との違い、さらには、妻の事を思い悲しむ方法を知りたかったのでしょう。

陽一には真平と灯という2人の子供がいました。

灯ちゃんがかわいい。

感情的なところが陽一そっくりです。

そして、真平。

彼は、幸夫やわたしと同じタイプの人間です。

感情をうまく出せない。

幸夫は真平とふれ合う事で、少しずつ自分という人間を掴んでいくのです。

ある日、陽一が交通事故を起こします。

悪い事に、陽一と真平がケンカをした後でした。

真平も勉強や家事でストレスがたまっていたのでしょうね。

背負う物が大きくなってしまい、かわいそうでした。

陽一とケンカ別れをしていた幸夫でしたが、大宮家のピンチに駆けつけます。

真平を電話で励ましながら、夜道を走る幸夫の姿に涙が出てきました。

やはり、人がピンチの時に無条件で駆けつける奴はかっこいい。

それが、自分を見失い、ダメな人間だと思い込んでいる幸夫なら尚更です。

幸夫は真平と陽一の病院へ向かいます。

汽車の中、真平が抱えていた辛さを告白します。

それに対し、幸夫は真平に自分の思いを話します。

そして、少しずつ自分の心と向き合うのです。

幸夫はある事に気付きます。

それは、心の中にある夏子の存在の大きさでした。

真平を陽一の元へ送り届け、帰りの汽車に乗る幸夫。

整理がついた自分の思いをノートに書き記し、そこでやっと泣くことができるのです。

その後、夏子が切ってくれてから伸ばしっぱなしの髪を切りに行きます。

切ることが出来なかったのでしょうね。

体に残る夏子の痕跡が無くなってしまいそうで。

この髪の長さも幸夫の夏子への思いなのですね。

髪を切ってくれたのは琴江。

彼女も幸夫を一目見て、すべてがわかったようでした。

このシーンは良かった。

あと、ピンポイントで良い仕事をしていたのがマネージャーの岸本信介です。

彼は、幸夫が浮かれそうになると、グッと現実に引き戻してくれるのです。

大切ですよね、こういう人。

幸夫が心を整理できた一因には、この人の存在も大きかったのでしょう。

何だろう。

幸夫が救われて良かった。

純粋にそう思いました。

彼が自分と似ているから、重ね合わせたのかな。

あと、陽一が事故を起こす時に流れていたラジオは『東京ポッド許可局』でした。

渋いなぁ。

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