海よりもまだ深く

「海よりもまだ深く」を観ました。

海よりもまだ深く – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは団地暮らしをした事がありますか?

わたしは経験がないです。

小さい頃は、中庭に公園がある環境がうらやましかったものです。

たくさんの団地の子供たちが遊んでいて、にぎやかでしたし。

団地暮らしの子供達は仲良しに見えました。

それを遠くから見つめるボッチのわたし・・・。

今回は、団地暮らしの母のところで金目の物を探す男の物語“海よりもまだ深く”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

15年前に1度だけ文学賞を受賞したことのある良多。

現在は、「小説のための取材」と理由を付けて探偵事務所で働いている。

彼は離婚した元妻の響子への思いを捨てきれず、響子に新しく恋人ができたことに呆然としていた。

良多はパソコンに向かい、指を動かす。

画面には「元妻に彼氏が出来てしまったwww」

某掲示板にスレを立て、彼氏をたたく良多であった。

3.感想

すごかった。

芸達者な俳優陣と見事な脚本。

なんて家族の会話が深いんだ。

そして、樹木希林が圧巻でした。

篠田良多は小説家です。

過去に文学賞を受賞したのですが、売れていません。

そのため、探偵をして日銭を稼いでいます。

さらに、嫌いだった父親と似てギャンブル狂。

そのため妻の響子と離婚。

息子の真悟とも離ればなれになりました。

しかし、良多は未だに響子に未練タラタラです。

なんとかヨリを戻そうとしています。

良多には団地暮らしの母 淑子がいます。

最近、父親が亡くなり、彼女は一人暮らしになりました。

ある台風の夜。

良多と響子、真悟は淑子の家に泊まる事になります。

真夜中、父親の仏壇の香炉にたまっていた線香を取り除く良多。

そこに淑子が起きてきます。

そして、父親の思い出話を始めるのです。

このシーンが素晴らしい。

良多は、うまく行かない自分の人生を淑子に問いかけるのです。

自分に似た父親に例えて。

この時の淑子の答えが秀逸です。

「時代のせいにしちゃったのよ。自分のダメなところをね」

「なんで男は今を愛せないのかねぇ」

「幸せってのはねぇ。何かを諦めないと手にできないもんなのよ」

「私は海より深く人を好きになったことなんてこの歳までないけどさぁ。(良多の反論に)ないわよ、普通の人は。それでも生きてんのよ。毎日楽しく。ううん、ないから生きていけんのよ、こんな毎日を。それでも楽しくね」

「単純よ。人生なんて単純よ」

これを、テレサテンの『別れの予感』をバックに語るのです。

この言葉を、人生を諦めている老人の戯言だと取る人もいるでしょう。

響子と付き合っている福住なんかはそうかもね。

でも、これは淑子が人生の中で知った真理なのです。

良多は、母の言葉で響子への執着を断ち切るのです。

さらに、良多は台風の中、真悟とタコの遊具に遊びに行きます。

父親がそうしてくれたように。

遊具の中で話をする良多と真悟。

この時に、嫌いだった父親の自分に対する気持ちがわかったのでしょうね。

翌日、良多は硯を質屋に持っていきます。

そこで、本にサインをせがまれ、墨をすります。

父親のように背筋が伸びる良多。

オープニングで淑子と千奈津が真似をしていた父親と同じポーズなのです。

なんてうまい演出だ。

結局、親なんですよねぇ。

最後に子供を助けてあげるのは。

本当に困った時、よっぽどの仲でないと、なかなか他人は助けてくれません。

しかし、親は違います。

どんな時でも助けてくれます。

それだけの深い愛情があります。

親を大切にしなければいけませんよ。

小言がうるさい時もあります。

しかし、今は納得ができなくても、親の小言は頭の片隅に入れておきましょう。

いつか理解できる時が来ますから。

あぁ、説教くさくなってしまった・・・。

それだけ良多と淑子の親子の会話が、わたしの胸に刺さったのでしょうね。

響子と淑子の会話も泣いたけどね。

なんでこんなことになっちゃったのかしら?

こんなはずじゃなかったのに?

そのような思いが胸をよぎった時に、また観てみたいと思う作品でした。

(Visited 3 times, 1 visits today)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存