罪の手ざわり

「罪の手ざわり」を観ました。

罪の手ざわり – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは、犯罪に手を染めそうになった事はありますか?

わたしはありますよ。

ここだけの話ですが・・・。

本屋で何冊か手に持ってウロウロしていた時でした。

友達と偶然出会い、おしゃべりを始めてしまったのです。

わたしは、友達と話をしながら、そのまま本屋の外へ。

ハッと気付き、手を見ると精算していない本が!!

あわてて店内に戻り、お金を払いました。

あぶなく万引き犯になるところでした。

こわいこわい。

今回は、犯罪に手を染めてしまうほど追い込まれていく人々の物語“罪の手ざわり”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

山西省の村で、共同所有していた炭鉱の利益を吸い上げられてきた炭鉱作業員。

重慶の妻子に出稼ぎとうそをつき、仕送りを送る強盗。

かなわぬ恋を続けて年を重ねきた湖北省の女。

職を転々とし、ナイトクラブのホステスとの恋に思い悩む男。

そんな彼らが一発逆転を狙いオーディション番組に。

果たしてメジャーデビューは叶うのか。

それじゃあ歌っていただきましょう。

デビュー曲『いつかは逆転ホームラン』

っていう内容だったら、笑って観れたのだろうな。

3.感想

何とも言えない気持ちになる作品でした。

今の生活から抜け出したい人々のジレンマ。

やりきれない気持ちになりました。

まず、ダーハイです。

彼は炭鉱作業員です。

しかし、共有の資産である炭鉱を、村長がジャオに売ってしまいました。

それが許せないダーハイ。

この売買がどのような内容だったのかはくわしく描かれませんが、周りの作業員は納得しているようです。

怒り狂っているのはダーハイだけなのです。

そうすると、彼には炭鉱問題とは別に何か理由がありそうです。

物語を観ていくと、わかってきました。

なんと、炭鉱を買ったジャオは、ダーハイの同級生なのです。

ジャオは炭鉱を買えるほどの実業家。

かたや自分は作業員。

それは、嫉妬が渦巻くでしょう。

だけど、それを口に出せないので、売買問題にケチをつけているのです。

どうしてもジャオとの比較がやめられないダーハイは、凶行に走っていきます。

うわ~!!

人の嫌な部分をえぐってくるなぁ。

次に、強盗で仕送りをする男です。

彼は、オープニングで鎌を持った3人のチンピラに囲まれます。

しかし、動じることもなく全員射殺。

この行動に、彼が歩んでいる人生の闇の深さがわかります。

彼は母親の誕生日に故郷に帰ります。

妻と息子に再会。

しかし、息子は父親と触れあう事を嫌がり、泣き出します。

子供の本能なのでしょう。

「あ、この人ヤバい」と感じたのでしょうね。

また、男がタバコを3本点けて、祈るシーンがあります。

そして、こう言います。

「俺を恨まないでくれ。文句なら神様に言えよ」

オープニングで殺した3人のチンピラへの祈りだったのですね。

この言葉から、彼は弱肉強食で生きている事がわかります。

息子との仲も修復して、穏やかな時間を過ごす男。

ここで、わたしが悲しく感じたのは妻です。

鞄の中で銃のマガジンを見つけ、男が犯罪絡みの仕事をしているとわかっても、止めることはできません。

なぜならば、彼の仕送りがないと、自分と息子は生きていけないと知っているのです。

だから、男が帰って来ても素直に喜べず、緊張したような微妙な感じなのでしょうね。

そして、男は仕事に向かいます。

男の背負っている事情は十分わかりました。

さぁ、妻と子供を食べさせるために仕事をがんばってくれ!!

男は銀行の前で待ち受けます。

そして、金持ちそうな夫婦に目星をつけます。

妻の手には大きなバッグ。

そして男は後ろから・・・

いきなり妻の頭を銃撃!!

すぐに夫も射殺!!

カバンを持って逃走します。

うわ~・・・

引くわ~・・・

そうなんですよ。

大切な家族に金を送っているためと言いながら、彼のやっている事は強盗殺人なのです。

男に感情移入していた自分が一気に冷めていくのがわかりました。

感情移入させておいて突き放す。

このパートの作り方はうまいですね。

監督の手のひらで転がされちゃった。

次にシャオユーです。

彼女はヨウリャンという男と長年不倫をしています。

年齢も若くない彼女は、早く結婚をしたいよう。

しかし、ヨウリャンはのらりくらりとかわします。

シャオユーはヨウリャンと一緒に広州に来てほしいと言われます。

彼女は一緒に行くことに。

しかし、ヨウリャンは手荷物検査に引っ掛かります。

鞄に果物ナイフが入っていたのですね。

トラブルを避けるため、シャオユーが果物ナイフを預かり、広州行きを止めます。

そして、職場であるサウナに戻ると、そこにヨウリャンの妻が。

いきなり暴行を受けます。

女の恨みは怖い・・・。

傷ついたシャオユーは故郷に帰ります。

故郷では空港が建設されています。

そこで、母といる時に、ヨウリャンの乗った列車の事故を知るのです。

職場に戻るシャオユー。

彼女はその途中で、空港建設に乗じて金儲けをしている悪い男の姿を見ます。

そして最悪の事態が。

サウナにその男たちがやって来たのです。

シャオユーが休憩中にやって来た2人の男。

「サービスしろ!!」と要求。

確かに、このサウナには娼婦のサービスがあるようですが、シャオユーは受付です。

もちろん拒否。

すると「金はあるぞ!」と札束でしばいてくるのです。

このシーンですが・・・まぁ、男がお下品。

ものすごく醜いです。

プライドをズタズタにされたシャオユーはキレた!!

鞄からナイフを取りだします。

それはヨウリャンの果物ナイフ。

そして、男を殺すのです。

血だらけで街を徘徊するシャオユー。

警察に電話をして自首をするのです。

1つの過ちから運命が悪い方へ転がっていってしまったシャオユー。

何とも切ない物語でした。

ラスト、シャオユーは工場の面接へ行きます。

この工場は、ダーハイに殺されたジャオが作ったもの。

過去を偽り、面接を受けます。

ここから人生を立て直す事ができればいいのだけれど。

最後にシャオホイです。

世間知らずの夢見る若者です。

彼は、職場で同僚にケガをさせます。

この内容がまた・・・。

布を裁断中の同僚に話しかけるという。

今、話しかけたら危ないのはわかるだろう?

これにより、同僚のケガが治るまでの2週間、シャオホイの給料は無しになりました。

働けない同僚に彼の給料をまわすためです。

これに怒ったシャオホイ。

会社を辞めます。

列車で上京。

そこで、かわいい女の子を見ます。

彼は、友達のツテをたどり、ナイトクラブのウェイターになります。

そこで、リェンロンというホステスと出会います。

彼女こそ列車で見かけたかわいいあの子。

故郷も同じとわかり、運命を感じるシャオホイ。

シャオホイはリェンロンに猛アタックをします。

デートもしていい感じに。

しかし、ここでリェンロンの告白が。

彼女には3歳の娘がいたのです。

リェンロンは娘を育てるために働かないといけない。

そして、シャオホイには彼女と娘を背負うほどの器はありません。

彼はリェンロンを諦めます。

さらに、彼女の姿を見るのは辛いため、ウェイターも辞めます。

次は工員になります。

そんなある日、母親から電話が。

送金がないと怒っているようです。

シャオホイは職を転々としたため、お金がありません。

母親の電話を聞きながら、涙目になるシャオホイ。

彼の思い描いていた人生は、こんな感じではなかったのでしょう。

理想と現実の間で揺れ動いているのです。

ある日、チンピラに呼び出されるシャオホイ。

連れていかれると、そこにはシャオホイがケガをさせた同僚がいました。

ケガをさせて仕事を辞めたシャオホイに仕返しに来たのです。

シャオホイの姿を見て鉄の棒を振り上げる同僚。

しかし、何もしないで去っていきます。

同僚は、やつれているシャオホイを見て、殴る価値もないと思ったのでしょう。

シャオホイを憐れんだのです。

これは傷付きます。

シャオホイは悟りました。

自分の価値を。

若い彼には、受け入れがたい現実でした。

思い詰めてしまったシャオホイ。

そのまま自殺を選んでしまったのです。

1人でも彼の本音を聞いてくれる人が周りにいれば・・・。

なんともかわいそうな若者でした。

ラスト、シャオユーが歌劇を観ます。

それには、こういうセリフが。

「お前は自分の罪を認めるか?」

何とも重い言葉です。

これは、わたしたちにも向けられているのですよね。

今、社会に起こっている事。

あなたも無関係ではないよ。

もっと目を向けなさい。

そう言われている気がしました。

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