帰ってきたヒトラー

「帰ってきたヒトラー」を観ました。

帰ってきたヒトラー – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは独裁者にどんなイメージがありますか?

独裁者と言えば、どうしてもあの人を思い浮かべてしまいます。

だから独裁者ってとても悪いイメージ。

しかし、独裁者がいても国民が幸せに生活をしている国もあります。

カタールとかトルクメニスタンとか。

良い独裁者です。

結局、独裁者が予算や権力をどこに使うかなのでしょうね。

国民に使うか。

自分に使うか。

戦争に使うか。

その人の人柄によって国は変わるのでしょう。

今回は、あの独裁者が2014年によみがえる物語“帰ってきたヒトラー”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

PTAを率いて世界を震撼させた独裁者モンスター・ペアレントが、現代によみがえる。

非常識なクレーマーだとか利益誘導だと人々に言われる中、クビになった局への復帰をもくろむテレビマンにスカウトされてテレビに出演する。

何かに取りつかれたような気迫に満ちた演説を繰り出すモンスター・ペアレントを、視聴者は「モンペの中のモンペ」としてもてはやす。

しかし、クレームを体験した一人の老女が本物のヤバい奴だと気付く。

老女の孤独な戦いが始まる・・・。

『老女 VS モンペ』今夏公開!!

3.感想

結構、笑った。

ものすごいブラックユーモア。

ただ、観終わったら鳥肌が・・・。

アドルフ・ヒトラーが2014年にタイムスリップをして、世の中を席巻するという物語です。

ヒトラーって取り扱いが難しいですよね。

やった事がやった事ですから。

ちょっとヒトラーを擁護するような事を言うのも憚れる。

どうしても人の感情的な部分を刺激してしまうのでしょうね。

ドイツではナチス式敬礼は逮捕・処罰の対象になるという話だし。

それを考えると、この作品はかなりのチャレンジだったと思います。

しかし、ヒトラー役のオリヴァー・マスッチさんはすごい。

あの格好でよくドイツを歩いたよ。

怖かっただろうな。

あのヒトラーとザヴァツキがドイツ中を旅するシーン。

今のドイツの政治について聞いて回るのだけれど、顔に目線やモザイクが入っている人がたくさんいました。

あそこはノンフィクションだったのかな?

ヒトラーが直撃インタビューをしたのだろうか。

バイロイトで絵を描いてお金を稼ぐシーンでは、文句を言われていたしね。

ちなみに、バイロイトはナチスに援助を受けていたから、連合軍の空襲を受けたのです。

やはり、ドイツのすみずみまでナチスの影響が残っているのですね。

わたしは、この物語に引き込まれてしまいました。

オープニングのヒトラーとマナー講師とのやり取りで、一気に気持ちをもっていかれました。

そこから、ヒトラーのやる事なす事がおもしろいのです。

1945年から2014年に来てしまった彼の感じるギャップ。

総統だった彼が現代では全く敬われない皮肉。

そういうユーモアがあちこちに散りばめられているのです。

そして、ヒトラーにだんだん好感を抱いてしまうのです。

そんなヒトラーが、マイTVのフリー社員ザヴァツキと出会います。

解雇されてしまったザヴァツキは、ヒトラーを使って動画を作り、復帰を企みます。

彼らの投稿した動画は人気に。

そして、ヒトラーは「クラス・アルター」という番組に出演を果たすのです。

そこで、彼は今の社会情勢を批判する大演説。

一気に人々の心をつかむのです。

わたしも「なかなかいい事を言うやん」と思ってしまいました。

ちなみに演説前の沈黙。

あれはヒトラーが本当に使っていた手法です。

聴衆の耳目を集め、自分に集中させるためですね。

わたしはここで気持ちがグラグラしていました。

「ヒトラー案外いい奴やん」

「でも、あのヒトラーだしな」

この間でグラグラしていました。

どんどん人気者になっていくヒトラー。

犬射殺事件があり1度は転落するものの、本を書きベストセラーに。

大復活です。

本当に多才やなこの人。

もう、みんなヒトラーに夢中です。

わたしも夢中です。

絶好調のヒトラーは、ザヴァツキの彼女クレマイヤーの家を訪問します。

クレマイヤーには認知症の祖母がいます。

祖母はヒトラーの姿を見るや憤怒。

クレマイヤーの家族はユダヤ人だったのです。

帰りの車でヒトラーは嘆きます。

クレマイヤーがユダヤ人だということを。

え!?

ユダヤ人がヒトラーのせいでこんな悲しみを背負ったことを嘆くのではないの?

わたしは冷水を頭からぶっかけられたような気持ちになりました。

目を覚ませ!!と。

ヒトラーはこういう奴なのだと。

ザヴァツキも気がついたようです。

しかし、もう手遅れでした。

ヒトラーは人気者になっています。

さらに、彼の本はベストセラーに。

思想が受け入れられているのです。

ラスト、ヒトラーはこう言います。

「なぜ人々が私に従うのか考えたことはあるか?彼らの本質は私と同じだ。価値観も同じ」

この言葉にはハッとさせられました。

確かに、クレマイヤーの祖母の話が出るまでは、わたしもヒトラーを受け入れていましたからね。

この作品では、ヒトラーはずっと思考が変わってないのです。

自分の主張を曲げずに言い続けているのです。

周りの人々やわたしたちは、彼の言葉に普段は見せない価値観を刺激されていたのです。

そして惹き付けられていた。

ひえっ!!

なんて怖い。

ザヴァツキは、怪物を世に出してしまいました。

止めようとした時には、すでに手遅れでした。

まさか自分が捕まってしまうとは。

世の中はヒトラーによって、隠していた価値観を表に引っ張り出されてしまったのです。

この作品を観ていると、どうしてもヒトラーがあの人と重なってしまいます。

そう、ドナルド・トランプ大統領です。

アメリカは、今、その価値観を試されているのですね。

さて、どうなっていくのか。

この映画の続きが現実で観られそうです。

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