ファウンド

「ファウンド」を観ました。

ファウンド – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは家族の秘密を見つけた事がありますか?

わたしは無いんですよ。

ボーッとした子供だったから?

それとも、両親の秘密の隠し方が完璧だったから?

あんな狭い家で・・・。

とにかく、秘密を見つけられませんでした。

今回は、家族の秘密を探っていたらとんでもない物を見つけてしまった少年の物語“ファウンド”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

学校でいじめられているマーティは、家族の秘密を見るのが何よりの楽しみだった。

母親はベッドの下にジャニーズへのファンレター、父親は車庫の奥にAV女優へのファンレターを隠していた。

そして、兄はクローゼットにAKB48へのファンレターを隠していた。

時々変わる推しメンへのファンレターを、こっそり取り出して眺める。

それを日課にしていたマーティ。

ある日、ファンレターの宛先が変わった事に気付く。

兄は仮面女子に乗り替えようとしていたのである。

3.感想

いやあ、壮絶でした。

マーティは歪むな。

まともに生きられないだろうな。

わたしは、観る前はスプラッター映画だろうなと思っていました。

モンスターが出てきて、次々と人を殺していくという。

しかし、違っていました。

モンスターを生んでしまった家族の物語でした。

この作品の家族。

12歳のマーティ

兄のスティーヴ

父のスタンリー

母のリサ

彼ら4人です。

マーティは、スティーヴの部屋で黒人の女性の生首を見つけます。

ボウリングボールを入れるバッグの中に入っていたのです。

しかも確認する度に生首が変わっている。

マーティはスティーヴが殺人鬼だと知ってしまうのです。

マーティの趣味はホラーです。

観るビデオはホラー。

聴くラジオもホラー。

さらに、スプラッター系のグラフィック・ノベルを自作しています。

作ったキャラクターは『バッグランチ』。

目のところを開けた紙袋を被り、手には鉈を持っています。

ちなみに親友のデヴィッドが考えたキャラクターは『ゴキブリマン』。

ゴキブリって・・・と思うでしょうが、なかなかかっこいいデザインです。

この映画のオープニング。

バッグランチとゴキブリマンが活躍するアニメなのです。

これがかっこ良かった。

あれはいいよ。

話を戻しますが、マーティのホラー好きは筋金入りなのです。

しかし、この趣味はなかなか周りには理解されないでしょう。

特に小学校では。

マーティは同級生から孤立し、いじめられているのです。

さて、父親のスタンリーです。

彼は威圧的な男です。

そして、家族に目を向けていません。

マーティと映画館に行くシーン。

どう見てもマーティの様子はおかしいでしょう。

しかし、気にかけないのです。

家に帰ってきたら、様子のおかしいマーティを残して先に車を降ります。

マーティは車で泣いています。

その後、彼が家に入ると、スタンリーはソファーに座ってテレビを観ているのです。

冷たい奴・・・。

さらに、差別主義者で黒人差別をしています。

時々出てくる彼の差別発言には、こちらがドキッとしてしまいます。

次に、母親のリサです。

一見優しそうなこの女性。

しかし、彼女はスティーヴをいないものとして生活をしています。

3人家族のつもりなのかな。

多分、1度もスティーヴの名前を呼んでいないと思います。

彼を失敗作だと思っているのでしょうね。

スタンリーがスティーヴを追い出したシーン。

母親なら出ていく息子を引き止めるでしょう。

しかし、リサは彼の姿を消すかのように、シャッターを下ろすのです。

彼女はダニーという男のラブレターを隠していました。

もしかしたら、スタンリーとの結婚は失敗だと思い、彼に似ていくスティーヴを嫌悪していたのかもしれません。

さて、殺人鬼スティーヴです。

彼は小学校の頃、マーティと似たような状況だったのでしょう。

スティーヴの部屋にはホラー映画のビデオがズラッと並んでいます。

そして、そんな趣味は理解されず、いじめられていた。

このいじめに、スタンリーとリサはどういう対策をしたのかわかりません。

しかし、それはうまくいかなかったのでしょう。

多分、あの両親はスティーヴの気持ちに寄り添わなかったのかな。

行動だけ見て怒ったりかばったりしたのでしょう。

マーティの時のように。

ともあれ、スティーヴは両親を信頼しなくなったのです。

さらに、スタンリーから影響を受けてしまった事があります。

差別主義です。

スティーヴも黒人を差別しているのです。

人間は不幸な状況になると、さらに下の立場の人間を作ろうとします。

デヴィッドも、黒人のいじめっこのマーカスもマーティを下に見ていた理由はこれだったのでしょう。

スティーヴは、そこからなぜ殺人に繋がっていったのかはわかりません。

『ヘッドレス』という作品に影響を受けたのかも?と思わせぶりに描かれていました。

しかし、わたしの個人的な考えは、どんな犯罪も作品からの影響ではなく、家庭環境にあると思っています。

そして、あのラストへ向かっていきます。

スティーヴは、なぜマーティを守るために両親を殺したのか?

スティーヴにとって、マーティは昔の自分なのです。

だから、彼がいじめ問題に悩んで傷付いている姿を見たくない。

自分が通ってきた道だから。

そして、問題を解決できず、マーティを責める事しかしない両親が許せなかった。(暴力の良し悪しは置いておいて)

こんな両親の元にいたらマーティは不幸になる。

俺のように。

それならば解放してやろう!となったのでしょう。

しかし、マーティはまだ正常でした。

いきなり両親が殺されるなんて状況を受け入れられません。

当然、悲しみます。

しかし、スティーヴはその涙が理解できないのです。

これでお前は自由なのに、なぜ!?

すごく悲しい結末でした。

しかし、あの両親の殺害シーン。

これまで観たホラー映画の中でも屈指の怖さでした。

殺害シーンは見せず、声だけが廊下から聞こえてくる・・・。

「何をされているんだ?」という想像が頭に広がっていくのです。

この演出はうまいなあ。

1つ考え込んでしまったのは、教会でのマーティの暴力事件です。

わたしがあの牧師の立場なら、マーティをどう説得するだろう。

彼は、いじめっこにからかわれて反撃したのです。

肯定はできないけれど、否定もできない。

マーティがずっと受け続けてきた屈辱があるはずだし。

牧師は「大人に話すんだ」と言っていたけど、本当にそれで解決できるのだろうか?

マーティじゃないけれど、わたしも効果はそれほどない気がします。

子供って大人が思っているほど純粋ではないし、こずるいから。

わたしならマーティにどう言うかな。

とりあえず、頭ごなしに謝れって言うのはどうかと思うので、マーティの言い分と気持ちをとことん聞くかな。

そして、解決策を一緒に考えようとするかもな。

この作品を観終わって、なんか『葛城事件』を思い浮かべました。

テイストは違いますが、根底に流れているものは似ているように感じました。

家族って難しいですね。

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