葛城事件

「葛城事件」を観ました。

葛城事件 – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは、面倒くさい親父に遭遇したことがありますか?

昔はよくいましたよね。

幼いながらも「なんかこの人うっとおしいなぁ」と思っていた記憶があります。

そういえばこんなこともありました。

わたしが仕事の同僚と2人で飲んでいる時、親父に絡まれた事があります。

わたしらは2人で会話をしたいのに、ずっと話しかけられる。

なんか自慢話が多かった・・・。

わたしは「ハハハ・・・」と受け流していました。

記憶が曖昧なので、無意識にこの思い出を消そうとしているのかな。

脳ミソが残しておくとヤバいと判断したのか?

今回は、親父に振り回される家族の物語“葛城事件”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

父親から受け継いだ小さな金物屋を懸命に切り盛りし、マイホームを手に入れ、妻の伸子と共に長男・保と次男・稔を育て上げた葛城清。

理想の家族と生活を築いたと考えていた彼。

しかし、稔が事件を起こしてしまう。

ある動画をYouTubeに投稿したのだ。

「ユーチューバーになりたい」

引きこもりの稔は、一念発起して投稿したのだ。

その動画を見た清、伸子、保。

自分の育て方に間違いがあったのかと清は自問自答する。

伸子は精神的に病んでしまう。

保は勤めていた広告代理店を解雇される。

やがて、稔と結婚したという女・星野が現れる。

ここまで、みんなの人生を変えてしまった稔の動画。

それはどんな内容だったのか?

これが今日の大喜利のお題です。

それではみなさんお考えください。

3.感想

しんどい映画でした。

とても救いようがない話。

ゾッとしました。

これは、葛城家の物語です。

家族は父親の葛城清と母親の伸子、長男の保、次男の稔の4人です。

まず、伸子。

彼女は清とできちゃった結婚をしました。

そして、結婚生活を過ごすうちに気付いてしまいます。

清が好きじゃないと。

しかも、あんなに横暴でオレ様な清です。

彼女は言いたい事も言えず、萎縮してしまいました。

彼女の会話って噛み合っていなかったですよね。

相手の話を聞き流し、自分の話ばかりする。

これは、清との会話で身についてしまった方法なのでしょう。

清の言うことにいちいち反応していたら、疲れてしまいますから。

そして、伸子は家庭崩壊に合わせて、心がどんどん壊れていったのです。

葬式での保の妻との言い合いのシーン。

伸子、怖かったですねぇ。

次に保です。

彼は、家族の中で唯一、清を尊敬していました。

あるいは父親の呪縛と言えるかもしれません。

保は弟の稔と比べ『できる子』でした。

そのため、両親の期待を受けて育ちます。

しかし、社会に出ると普通の人でした。

しかも彼には弱点がありました。

コミュニケーションが苦手だったのです。

これは環境から来たのでしょうね。

崩壊している家庭で育ちましたから。

しかし、保は家族の中での自分の立ち位置がわかっていました。

『できる子』でないといけなかったのです。

だから、リストラをされても、周りに相談ができませんでした。

ある日、保は公園でタバコを吸います。

父親のような図太さが欲しかったのでしょう。

そして、吸い殻を投げ捨てます。

1度はその場から立ち去ります。

しかし、再び戻ってきて吸い殻を拾い上げるのです。

多分、清ならそんな事を気にせず、そのまま行ってしまうでしょう。

そして、保は気付いてしまいました。

自分は父親と同じ事をできない。

父親とは違う。

あんな強さは持てない。

そして、八方塞がりの状況も相俟って、絶望し、自殺をしてしまうのです。

周りの期待と自分とのギャップに潰されてしまったのです。

そして稔です。

彼は、兄の保と比べられて育ったのでしょう。

あの父親なら、彼にかなりひどい言葉を投げつけて育ててきた事が想像できます。

そして、稔はだんだん卑屈になっていったのですね。

母親がうまくフォローできれば、まだマシだったのかもしれません。

しかし、伸子には無理でした。

彼女は清だけでなく稔にも萎縮してしまっていたのです。

そう。

実は、稔は清にそっくりなのです。

自分のプライドを守るため、周りをバカだと見下している。

中二病をこじらせているのですね。

そういえば、稔と星野順子の獄中での会話。

まるで清と伸子みたいでした。

中二病をこじらせている稔。

しかし、彼はそれだけではありませんでした。

よく「一発逆転してやる」と口にします。

彼の言っていた一発逆転は、世間に対してではありませんでした。

家族に対してでした。

稔は、葛城家をぶっ壊して、父親の呪縛から逃れたかったのです。

兄は逃れられませんでした。

自分は逃れてやる。

そして、凶行に走ってしまうのです。

最後に清です。

こんな親父、昔、よくいましたよね。

わたしは苦手なタイプなので、避けていた記憶があります。

葛城清は、ものすごく見栄っ張りな男です。

そして、古風な考えを持っています。

男足るもの、一生懸命働き、嫁をとり、一軒家を建て、家族を守る。

清はそれを実現しました。

その自信が彼を横柄にしていったのです。

あの中華料理屋での食事会は最悪でしたね。

保とその嫁、嫁の両親との食事会ですよ。

そこで、清は麻婆豆腐が辛いと店員にクレームをつけるのです。

「オーナーを呼んでくれ。葛城さんって言えばわかるから」

出た!!

「(名前)って言えばわかるから」

これ言う人って100%面倒くさい。

この時の保の気持ちよ・・・。

わたしなら恥ずかしさに耐えられない。

さらに清が最悪な行動をします。

妊婦である保の嫁の前でタバコを吸い出すのです。

ひゃー!!

このシーンだけで、清がどんな人間か1発でわかってしまいます。

こんな清の家庭がうまくいくはずはありません。

しかし、彼にとっては、家族がバラバラになる事は男としての生き様に反するのです。

だから、家庭内がどんなに荒れようと、家族という形だけは守ろうとします。

保の自殺を認めず、事故と言い張ったのも、葛城家に烙印を押されないためでした。

しかし、稔の通り魔事件が起きてしまいます。

伸子は病院に入ってしまいました。

そして、稔の死刑執行。

清には家族がいなくなりました。

そこに現れた星野順子。

清は順子に「俺の家族になってくれねえか?」とすがり付きます。

「俺が3人ヒトを殺したら、そしたら、お前は俺と結婚してくれるのか?」

清は、自信とプライドを取り戻すため、家族という魔物にとりつかれてしまったのでしょう。

狂気です。

順子に逃げられた清。

彼は、首をくくろうとします。

その場所は、保と稔の成長を祈って植えたミカンの木。

しかし、枝が折れ失敗。

多分、保と稔は清が自殺をする事を許さなかったのでしょう。

以前、清は順子に対してこんなことを言いました。

「やっぱり死刑にしないでくれ。これじゃあ、稔の望む通りになるだけだ。むしろそれでも生かして、強引にでも生かして、生かして、生きる苦しみを味あわした方が奴にとって1番の罰じゃねえか」

清は、この言葉を自分にかけられた気持ちになったのかもしれません。

こうして、部屋に戻り、食べかけの蕎麦をすするのです。

生きるために。

この葛城家。

食事が印象的でした。

みんなバラバラで、買ってきた弁当を各々で食べているのです。

それだけで「あぁ、会話もないのだろうな」というのが伝わりました。

あと、伸子、保、稔の3人でのシーン。

唯一、談笑がある食事シーンでした。

清がいないだけで、こんなにいい雰囲気になるのか。

そして清の登場。

凍りつく空間。

清の破壊力すごいな。

もう1人、触れておきたい人物がいます。

星野順子です。

彼女は死刑廃止論者で、稔と獄中結婚をします。

もう、このキャラは最初から最後まで感情移入できなかった。

ていうか気持ち悪かった。

「あなた、それでも人間ですか?」

いやいや・・・あんたもだよ・・・。

この人はよくわからなかったです。

この葛城家のような家族。

多分、いっぱいあるんだろうな。

そして、自分の家族がこんな形になってしまうかもしれない。

そう考えると、すごく背筋が寒くなりました。

こわいこわい。

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