四月は君の嘘

「四月は君の嘘」を読みました。

四月は君の嘘 – 講談社コミックプラス

感想(ネタバレなし)

この作品を知ったのは「一流が嫉妬したスゴい人」という番組でした。

『ONE PIECE』の尾田栄一郎先生が嫉妬したマンガという事で名前をあげていたのです。

あの尾田先生が嫉妬するマンガだって!?

ぜひ読みたいと思っていました。

そして、ようやく全巻購入して読む事ができたのです。

その内容は、まさに『王道』でした。

天才ピアノ少年だった有馬公正。

彼は、母を亡くした心の傷でピアノが弾けなくなります。

自分の弾くピアノの音が聴こえなくなったのです。

ピアノをやめようとする有馬。

そんな彼の前にヴァイオリニストの宮園かをりが現れます。

彼女は、ヴァイオリンコンクールの伴奏者に、有馬を指名するのです。

とにかく、キャラクターが魅力的。

有馬公正と宮園かをり。

有馬の幼なじみの澤部椿

同じく渡亮太

彼はチャラいんだけどいい奴なんだ。

そして、有馬に影響を受けてピアノを始めた井川絵見

有馬をライバル視している相座武士

他にもたくさんの良いキャラが出てきます。

特にいい味を出していたのは柏木奈緒です。

椿に恋愛哲学を語る彼女。

それがまた的を射ている。

さらに、最終回に彼女の恋愛哲学の驚くべき事実が明かされます。

これらの魅力的なキャラクター達が、それぞれのドラマを展開していきます。

さらに、1話ごとの作りがまあ見事。

丁寧にドラマを積み上げ、最後に心をギュッとされます。

ロマンチックな詩を読んでいる気分になる。

新川直司先生すごいな。

個人的に第28話「足跡」は完璧でした。

とにかくいろんな人に読んでもらいたいです。

感想(ネタバレ)

全て読み終えた時は脱力してしまいました。

宮園かをりの生き様がすごくて、切なくて。

彼女は、自分の命が長くないと知り、生き方を変えました。

かをりは幼い頃に有馬のピアノを聴いて、ヴァイオリンを始めました。

ちなみに、有馬の発表会で、かをりの隣で泣いたのは絵見だったのですね。

同じ演奏を聴いて、ピアノをやめヴァイオリニストになったかをりと、ピアニストを目指した絵見。

有馬と共に演奏をする事を選んだかをりと、有馬を追いかける事を選んだ絵見。

この対比もおもしろいです。

作品中、かをりは2度舞台に立ちます。

1度目の舞台。

彼女は圧倒的な演奏を見せて、聴衆推薦を勝ち取ります。

多分、かをりが自分の気持ちをぶつける演奏をしたのは、これが初めてだったのでしょう。

伴奏者が戸惑っている事と、審査員が「なんでこんなコが無名なんだ?」と言っている事からわかります。

有馬に自分の音楽と気持ちを刻みつけないといけない。

彼女にとっては大変な決意だったと思います。

だから、コンクールの結果よりも有馬の感想を聞く方が、手が震えるほど緊張していたのですね。

そして、かをりはこのコンクール後、幼い姉妹から花束をもらいます。

彼女の気持ちは聴衆に伝わったのです。

最終話、この姉妹がヴァイオリンを始めています。

なんか、読んでいるわたしもうれしくなりました。

そして、2回目の舞台。

かをりにとっては夢だった有馬の伴奏による舞台。

彼女がどれだけこの時にかけていたか。

それは、屋上でかをりが有馬に伴奏をお願いするシーンに表れています。

今までは、明るく、時には上から有馬にものを言っていた彼女。

しかし、この時は頭を下げて頼みます。

泣きながら。

「お願いします。私の伴奏をしてください。私をちょっぴり支えてください。くじけそうになる私を支えてください」

これは、伴奏のお願いと共に、愛の告白でもありますね。

彼女が有馬に本当の自分を見せたのは、ここだけでした。

そして、この舞台で2人は喝采を浴びます。

ここから、有馬は復活していくのです。

かをりは、音楽で有馬の心に住みつきました。

心で繋がる事ができたのですね。

最終回、彼女が残した写真。

切ないよ。

たまらない。

次に澤部椿。

わたしが1番好きなキャラが彼女でした。

幼なじみから好きな男に変わっていく・・・。

ああ!!

いいわ~!!

体がムズムズして身悶えしました。

なんか心の敏感な所を、指でツンツンとされるような気分になりました。

わたしにも異性の幼なじみがいました。

幼いころ、引っ越してしまいましたが。

もし、ずっと一緒だったなら、こんな事もあったのかな?

先に書きましたが「足跡」は素晴らしかった。

完璧だった。

心がギュインギュインしました。

そして、有馬公正です。

彼は天才なのでしょうね。

わたしの考える天才の定義。

それは「その才能で周りの人を惹き付け、彼らの人生を変えてしまう人」

この物語は有馬を中心に回っています。

有馬の才能で人生を変えられた人。

宮園かをり

井川絵見

相座武士

藍里凪

三池俊也(こいつも好き)

これだけの人数の人生を変えたのなら、本物でしょう。

そして、天才は周りを惹き付けるので、助けてもらえます。

周りも、その才能を伸ばせる事に喜びを感じるのです。

物語で印象的に登場した黒猫のチェルシー。

この猫は母親のトラウマの化身でした。

それを取り除いてくれたのはかをり。

彼女は、有馬の心に残ると同時に、チェルシーも一緒に連れていってくれたのです。

有馬は、かをりと出会い、自分を伝える演奏を身につけました。

彼は、これからも周りを巻き込みながら、その才能を伸ばしていくのでしょうね。

あぁ、素晴らしい作品だった。

わたしは非リア充なので、青春ものって苦手なんですよね。

ケッ!みんなでキラキラしやがって!

と、わたしの悪い心が叫ぶのです。

しかし、この作品のキャラクター達は、みんないとおしい。

物語中、ずっと応援していました。

わたしの歪んだ心を虜にした作品でした。

新川直司先生の他の作品も読んでみたくなりました。

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