サウスポー

「サウスポー」を観ました。

サウスポー – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは怒りをコントロールできますか?

わたしはできますよ。

怒りをグッと抑えられます。

あ!

1つだけ、これをされたら怒りを抑えられないかもしれない・・・。

それは、冷蔵庫の中のヤクルトを勝手に飲まれた時。

これをされたら普段怒らないわたしもどうなるかわからない・・・。

みなさんも冷蔵庫の中には気をつけてくださいね。

今回は、怒りをコントロールする事で人生を取り戻す男の物語“サウスポー”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

ビリー・ホープは、怒りを力に変える過激なファイトスタイルのボクサー。

必殺技は「アングリー・バーニング・ファイナル・パンチ」

この技名を叫びながら、相手にパンチをぶちこむのを得意としていた。

しかし、彼は試合にまつわるいざこざが原因で心が傷付いてしまう。

気力をなくした彼は「アングリー・バーニン・・・」までしか叫べなくなり、世界チャンピオンの座から転落。

娘とも離れ離れになってしまう。

全てをなくしたビリーは、トレーナーを務めるティックの協力を得て、栄光と娘の信頼を取り返すため再起を図る。

しかし、このティック。

トレーナーはトレーナーでもボイストレーナーだった。

「それでは私からいきますよ。アングリー・バーニング・ファイナル・パンチー!!」←ええ声

ビリーは続ける。

「アングリー・バーニン・・・くそー!!」

3.感想

感動した・・・。

わたしの中のボクシング映画ランキングで結構上位になります。

この作品、今までのボクシング映画とは一味違います。

それは『怒り』の扱い方。

ビリー・ホープは世界ライトヘビー級王者です。

そのスタイルは、相手に打たれて調子を上げ、最後に怒りを爆発させてノックアウトをするという無茶なものです。

ディフェンスもまともにしません。

マンガみたい。

でも、このスタイルは客が呼べます。

プロモーターも放っておきません。

ビリーはこの戦い方で43戦無敗。

タイトルも4度防衛するのです。

センスとパワーで勝ち抜いてきたのですね。

しかし、家族は生きた心地はしません。

妻のモーリーンはなるべく試合をしないよう忠告します。

そりゃそうですよ。

こんな戦い方をしていたら、必ずパンチドランカーになって廃人になってしまう。

ビリーのスタイルを見ていて、あるボクサーを思い出しました。

昔、斎藤清作というプロボクサーがいました。

彼は左目が見えませんでした。

それを隠してボクシングをしていたのです。

彼の選んだスタイルは、相手に打たせ続け、疲れたところを攻めて逆転するというもの。

当然、代償は大きく、パンチドランカーになってしまいます。

ボクシング引退後、斎藤は芸人の世界に飛び込みます。

そして、たこ八郎として成功しました。

たこさんは希な例です。

パンチドランカーになってしまい、その後の生活が大変になってしまう人も多いでしょう。

ビリーもこのスタイルを続けたら、パンチドランカーになる可能性はすごく高いのです。

そして、ビリーには大きな弱点がありました。

それは怒りをコントロールできない事。

挑発にもすぐ乗ってしまいます。

ボクシングの世界ではそれでも良いのかもしれませんが、日常生活ではただの短気な男です。

そんなある日、施設のパーティーで事件が起きます。

ビリーに挑戦表明しているミゲル・エスコバールが挑発してきたのです。

それに乗ったビリーがミゲルに殴りかかり乱闘騒ぎに。

そのどさくさに紛れ、ミゲルのボディーガードのヘクターが銃を発砲。

モーリーンが撃たれてしまい、亡くなってしまうのです。

そこからビリーの生活が一変してしまいます。

モーリーンがお金の管理など日常生活の全てをやっていたのでしょう。

税金などの支払いが滞り、豪邸が差し押さえられます。

そして、何より問題だったのは、ビリーがそれらに対応できなかった。

怒り、怒鳴り付け、荒れるだけだったのです。

そして、娘のレイラは養護施設に送られ、引き離されてしまいます。

ビリーに養育は無理だと判断されたのですね。

裁判所は彼に更正案を命じます。

そこでビリーはまた怒り、暴れたのです。

後にビリーが施設を訪れ、レイラと面会するシーンがあります。

そこで、彼女は怒りの表情で「パパはヘマしたのよ。何も分かってない」と言い放ちます。

レイラもビリーの短気が問題なのはわかっていたのですね。

何もかも失ったビリーは、ウィルズ・ジムを訪れます。

このジムを経営するティック・ウィルズにトレーナーを頼むためです。

ティックはビリーに言います。

「ボクシングは腕力ではない。頭脳を使う。チェスと同じだ」

このジムは子供たちを立派な大人に育てる教育の場でもありました。

ビリーはこのジムで働き、少しずつ生活と心の安定を取り戻していきます。

同時に、怒りをコントロールするようになります。

そんなビリーにタイトルマッチがめぐってきます。

相手はミゲルです。

モーリーンの死にも絡む、因縁の相手。

ビリーはティックと共に、このタイトルマッチを受けるのです。

普通なら「妻の敵!!」と怒りを爆発させ、メガトンパンチを憎き敵にくらわせハッピーエンドです。

しかし、この作品は違います。

いかに怒りを抑え、勝利に向かって任務を遂行するかがテーマなのです。

敵は、怒りに負けそうになる自分自身なのです。

ビリーとミゲルの試合のゴングがなります。

ビリーは、徹底的に鍛えたディフェンスを駆使して、ミゲルを攻めます。

途中からは左肩に顎をつけ、半身でガードを固めます。

そして第11ラウンド。

ビリーは落ち着いていますが、ミゲルは怒っています。

そして挑発するのです。

「女房は守ってくれねえぞ。もういねえ」

これにはホープの怒りが噴き出します。

ゴングが鳴り、興奮したままコーナーに戻るビリー。

しかし、ティックの「王者の魂を見せろ。神様が見てる。奥さんも。俺も見てる。お前の娘も」という言葉で冷静さを取り戻します。

そして最終12ラウンド。

このために練習してきたサウスポーを放つのです。

右パンチを出すと同時に足をスイッチ。

そのまま左のアッパーをぶちこむのです。

ミゲルがフラフラのまま12ラウンド終了。

判定でホープの勝利!!

王者に返り咲くのです。

試合後の控室。

レイラが駆け込んできます。

彼女は初めて父親の試合を観ました。

「怖かった」と泣きます。

そして「おうちへ帰ろう」と呟きます。

モーリーンもよく言っていた言葉。

ビリーは偉大なボクサーでありながらも1人の夫であり父親。

回り道をしましたが、家族を取り戻したのですね。

この作品でわたしが選ぶMVPはジョンジョンです。

彼だけは堕ちたビリーの元を去らなかったのですね。

モーリーンを守れなかったという自責の念もあったのでしょう。

何もかも無くしたビリーに、もらった時計を返そうとしたり、セコンドについたり。

何気にビリーの後ろにチラチラ写るジョンジョンに心を奪われました。

あぁ、ボクシング映画に名作誕生だな。

まいったね。

心に刻まれました。

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