ブリッジ・オブ・スパイ

「ブリッジ・オブ・スパイ」を観ました。

ブリッジ・オブ・スパイ – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは橋で取り引きをした事がありますか?

わたしはありますよ。

橋で待つわたしの目の前に現れた相手。

それは、かわいいワンコ。

それぞれ持ってきた物を交換します。

わたしはワンコから奪ったホネ。

ワンコはわたしから奪った『きのこの山』

橋の真ん中で向き合い、ホネときのこの山を交換します。

その瞬間、シャーッとワンコに爪で引っ掛かれます。

わたしも負けじと、モデルガンを取りだし、パンパンパンと撃ちます。

ワンコはマトリックスのように、体を仰向けに倒し、弾を避けます。

そして、ワンコはホネを加えて逃げ去りました。

わたしは、傷ついた体を引きずりながら、きのこの山を手に帰ったのです。

おそろしい取り引きでした。

今回は、橋でスパイの取り引きが行われる物語゛ブリッジ・オブ・スパイ゛です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

男が部屋で絵を描いています。

そこに電話が鳴り響きます。

男は筆を止め、電話に近付きます。

早く出ろと言わんばかりに鳴り響くベル。

男は受話器を取ります。

「せんせ~い。早く仕上げてくださいよ。締め切りは過ぎてるんですよ?」

「わかってるよ!今、描いてる最中なんだ」

「頼みますよ。先生の作品、みんな楽しみにしてるんですから」

ガチャンと電話が切れます。

受話器を2度見する先生。

ため息を1つつき、キャンパスに戻ります。

キャンパスには女の子の姿が。

先生と呼ばれる彼こそが、萌えアニメのキャラクターをキャンパスに描き続けて40年。

奇才『萌絵 描捲斉』(←読み方 もええ かきまくりさい)

彼の才能は、痛車のペイントアートから開花し、今や個展を開いては萌える男たちの欲望を満たし続けている。

「あぁ、風景画が描きたい・・・」

みんなの希望と自分の希望がマッチングしない事に、萌絵の心は激しくかき乱されるのでした。

3.感想

裁判とは何なのかを考えさせられました。

ソ連のスパイの弁護士をする事になったアメリカ人の物語です。

当然、裁判をするのであれば、被告人には弁護士がつきます。

日本でも、どんな凶悪な犯罪者であっても弁護士がつきます。

なり手がいなければ、国選弁護士がつきます。

でないと、法治国家の体を為しませんからね。

しかし、この時代では、その考えが浸透していませんでした。

法よりも愛国心を叩き込んでいたのですね。

冷戦が背景にあったからでしょう。

ソ連のスパイを担当する事になった弁護士。

彼の敵は世間だったのです。

ジム・ドノヴァンは保険専門の弁護士でした。

しかし、腕利きだった彼は、逮捕されたソ連のスパイ ルドルフ・イヴァノヴィチ・アベルを弁護することになります。

アメリカとしては、司法国家として、誰もが弁護される国を世間に見せつけるためでした。

ジムはアベルに会い、弁護士として正式に依頼されます。

ここで、ジムは奥さんの反対にあいます。

アメリカの裏切り者として、家族に危険が及ぶのを危惧したからです。

しかし、ジムは憲法を信じていました。

CIAのホフマン捜査官に会い、「規則はない。アベルと何を話したか言え」と言われた時にも、こう言い返しています。

「私はアイルランド系。君はドイツ系。我々を米国人と規定するものは1つだけ。規則だ。つまり憲法。規則に同意し、我々は米国人となる。だから゛規則はない゛と言うな」

ちなみにジムはホフマン捜査官の「カモーン!!」にも怒っています。

この「カモーン」は、無理なお願いを断られた時に使うやつです。

「おいおい・・・頼むよ!!」という意味が含まれた「カモーン」です。

これもジムは「不快だ!!」と一刀両断しています。

確かに「当然、協力してくれるんだろうな」という態度で、無理難題をふっかけてくる人は、信用できませんよね。

法治国家において、憲法はみんなに与えられた規則であり、人々は守るものとジムは信じているのですね。

奥さんの気持ちも分かりますが、ジムは自分の信念を信じるのです。

しかし、世間はそうではありませんでした。

まず、この事件を担当するモーティマー・バイヤーズ判事から、アベルに対する敵がい心がむき出しです。

「スパイは死刑でいい」という感じで、早く審理を終わらせようとします。

陪審採決でもアベルは有罪になります。

そこで、ジムはモーティマー判事の家に行き、こう持ちかけるのです。

「アメリカ人のスパイがソ連に捕まった時のために、交渉の切り札としてアベルを持っておきまへんか?どうでっか?」

これで、アベルは有罪にはなりましたが、死刑にはならず、禁固30年となったのです。

有罪になったとき、ジムは心が折れかけていました。

でも、アベルの激励で復活し、判事と交渉をしたのです。

しかし、世間はアベルのこの判決を許しませんでした。

ジムやその家族に、危険がおよびます。

そんな時、ソ連の偵察を行っていたCIAのゲーリー・パワーズが捕まってしまいます。

時を同じくして、学生のフレデリック・プライアーが東ドイツに捕まります。

ドイツはベルリンの壁を築いているところでした。

ドイツが分断される前に、東ベルリンに侵入したプライアーは、恋人とその家族を西に移そうとしたのです。

西ドイツの方が東ドイツよりも裕福でしたからね。

しかし、西に戻ろうとしたプライアーは、東ドイツの兵に捕まってしまったのです。

そこで、ジムがアベルとパワーズ&プライアーの交換交渉を、ソ連と東ドイツを相手に行う事となるのです。

何と言ってもスティーブン・スピルバーグはうまい!!

むっちゃ丁寧です。

まず、ジムとアベルの友情です。

アベルはソ連のスパイです。

その彼が、なぜ敵国である米国人の弁護士を信じたのか?

それは、ジムが不利な立場になっても戦う姿を見せたからです。

あと、紙と鉛筆、タバコもきちんと差し入れていましたしね。

敵国のスパイを弁護したら、周囲からどんな目を向けられるか。

それは想像に難くありません。

そんなジムを称賛して、子供の頃よく家に来ていた『Stoikiy Muzhik(不屈の男)』の話をするのです。

父が「この人をよく見ろ」と言っていたと。

そして、グリーニッケ橋での交換です。

パワーズは来ていますが、チェックポイント・チャーリーで引き渡す予定のプライアーは来ません。

ホフマン捜査官はアベルを急かしますが、彼は動かないのです。

そして「Stoikiy Muzhik」と言い、「私は待つ」と。

下手したら、自分がソ連に帰れないかもしれないのに。

また、ジムは「帰国したらどうなる?」とアベルに尋ねます。

アベルは「同胞が私を射殺するか、私の迎え方で分かる。私を抱擁するか、後ろに座らせるか」と答えます。

そして、アベルとパワーズの交換が行われます。

パワーズは、CIAの面接を一緒に受けたマーフィ中尉と抱き合います。

しかし、アベルは抱擁もなく、車の後部座席に座らされるのです。

なんか涙が出ました。

アベルの行く末を思うと。

パワーズは帰りの飛行機の中、みんなから無視をされます。

周りにとってパワーズは『アメリカをピンチに陥れた裏切り者』だからです。

彼も帰国した後は、茨の道が待っているのです。

そんな彼にジムはこう話します。

「気にするな。人がどう思おうと自分が確かなら」

この言葉は、アベルの裁判を通じて学んだ事なのでしょう。

そして、アベルの贈り物です。

これはジムの肖像画でした。

アベルは、『Stoikiy Muzhik(不屈の男)』について、父に「この人をよく見ろ」と言われていました。

彼はきちんとジムを見ていたのですね。

それが肖像画に繋がるのです。

そして、帰国して家に着いたジムを待っていたのは、奥さんの抱擁でした。

ジムは、ホッとすると同時に、抱擁されなかったアベルの事を思い、涙を流すのです。

ラスト、電車の中です。

ジムの功績を称える新聞を読む人々。

彼自身も読んでいます。

裁判で叩かれている時は読めなかった新聞が、読めるようになったのですね。

そりゃ自分の悪口の記事は読めないですよね。

そして、周りの目です。

裁判時は刺すようだった視線が、尊敬の眼差しになっています。

ジムは、照れ臭そうに窓の外を見ます。

そこに、右から左の家にフェンスを乗り越えて行く子供達。

ジムは、東ドイツから西ドイツへ向かう汽車の中で、ベルリンの壁を越えようとして銃殺される人々を目撃しています。

それがフラッシュバックして、沈痛な気分になるのです。

もう、スピルバーグすごい!!

すべてがラストに向かって収束していく作りになっています。

あらためてこの監督は素晴らしい!!

そして、何よりこの物語が事実を元にして作られているという事です。

ジム・ドノヴァンは実在し、素晴らしい功績を残しています。

アベルも家族に会えたようだし、プライアーは経済学者になったそうです。

こんな人々がいたのですね。

びっくりです。

今作のMVPは東ドイツのオット司法長官です。

うさんくささと、そこはかとない東ドイツのプライドを感じさせる姿が抜群でした。

うさんくささはアベルの偽家族も捨てがたかったのですが。

鼻差でオットの勝ちでした。

わたしも周りの視線に負けないように、強くなりたいです。

「気にするな。人がどう思おうと自分が確かなら」

確かな自分・・・。

チョコが好きな事は確か・・・。

は!!

そうか!!

チョコ好きな自分を信じて進んだら良いのか!!

なんか目が覚めた気分です。

よし。

がんばろう。

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