人生スイッチ

「人生スイッチ」を観ました。

人生スイッチ – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは車の運転中にイライラする事はありますか?

わたしはありますよ。

わたしの前をゆっくり走る車には、ノコノコのこうらを投げ付けてやります。

後ろにぴったりくっつく車がいたら、バナナの皮を置いてスピンさせてやります。

今回は、遅い車にパッシングをしたら、フロントガラスにウ○コをされた男の物語“人生スイッチ”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

空港を女性が歩いていきます。

カウンターの受付嬢に声をかけます。

「チェックインを」

「身分証は?」

女性がチケットを手渡しながらたずねます。

「会社が手配した航空券でも、マイルは私に貯まる?」

「マイルは発生しません」

女性の顔が一気に変わります。

その時の彼女の様子を、受付嬢が後にこう証言しています。

「今、思い出しても鳥肌が立つわ・・・。まるで、その顔は般若のお面のようで。彼女はモンスターよ」

マイルが貯まらないと知った女性は、目を釣り上げて叫びます。

「私を誰だと思っているの!!モデルよ!!モデル!!あなたじゃ話にならないわ。責任者はどこ?責任者を出しなさい!!」

一気に空港は騒然とします。

モデルはカウンターの上に登り、暴れだします。

責任者のオレノシゴ・トマルナゲーが走ってきます。

「どうしただ?お客様」

しかし、モデルはもう止まりません。

「ふんがー!!マイルが貯まらないってどういう事よ!!ふんがー!!」

トマルナゲーはカウンター上のモデルを見上げながら謝ります。

「すまねえだ。会社経由のチェックインではマイルはつかないんだが。勘弁してくだせえ」

しかし、モデルは止まりません。

「ふんがー!!マイルをつけろー!!ふんがー!!」

カウンターから飛び蹴りを放ちます。

責任者のトマルナゲーは「後は任せただ」と受付嬢の肩を叩き、必殺技の仕事丸投げをして立ち去ります。

残された受付嬢。

迫る飛び蹴り。

「自分の身は自分で守るしかないわ」

受付嬢はモデルの飛び蹴りをサッと避けます。

ドカンと地面に刺さるモデル。

そのバックに回った受付嬢は、ドラゴンスリーパーにとらえます。

受付嬢は、当時の様子を振り返ります。

「もう無我夢中だったわ。わたしにはあの技しかなかったの」

力が抜けるモデル。

こうして騒動は収まりました。

この騒動を振り返り、トマルナゲーは語ります。

「彼女のドラゴンスリーパーは強烈だべ。脇の臭いが凄まじいスメルだかんね」

3.感想

ブラックでシュールな短編が詰まった映画です。

『おかえし』『おもてなし』『パンク』『ヒーローになるために』『愚息』『Happy Wedding』の6編で構成されています。

すべての話の根底には“復讐”が流れています。

『おかえし』は、飛行機内の話です。

初めは「めずらしい事もあるもんだ」と思って観ていましたが、「あれあれあれ?」と。

結局、ガブリエル・パステルナークの復讐だったのですね。

自分を貶めた人達をすべて引き連れて、墜落したのです。

怖いわー。

老夫婦の向こう側から飛行機が・・・。

あんなに引くオープニングは初めてです。

『おもてなし』は寂れたカフェでの話です。

ここにやって来た男性客。

カフェの女性店員が気付くのです。

自分の父親を自殺に追いやった男だと。

この男。

こいつの口が悪い!!

いちいち、イラッとさせる一言をつけ足すのです。

女性店員が女性店主にその話をすると、店主が「殺そう」と。

「世直しやー!!」

と、その店主はノリノリになるのです。

食事に毒をもり、食べる男を眺める2人。

そこに男の息子が合流。

ラストは唐突に来ました。

店主の暴走で、男を撲殺です。

彼女を、つき動かしたのは何でしょう?

多分、正義感です。

彼女は、社会のためにやっていると思ったのです。

女店主は、悪人が偉くなる社会に不満を言っていました。

そこに現れた男。

しかも、彼は市長になろうとしていました。

社会に対する不満が、わかりやすく男に向き「ぶっ殺す」となったのでしょう。

『パンク』は怖い話しでした。

実際にありそうで。

車の運転中ってイライラする事が起こります。

ちょっとした事が引き金になって、この話のように、殺し合いまで行ってしまうかも。

この話は、パッシングをした相手が頭のおかしい方でした。

地雷を踏んでしまった・・・。

動けなくなった車に対して、あそこまでしますか?

ラストは、車に火をつけて爆発。

死体は2人仲良く抱き合っていました。

シュール・・・。

人を呪わば穴2つです。

『ヒーローになるために』

この男みたいな人、よくいますよね。

自分の中の正義=社会正義な人。

普通の人は、社会の中で生活をしていく内に、“正しい事”の折り合いをつけていくものです。

正論としては正しいのだけれど、それに固執していると、社会は回っていかない事があるとわかるのです。

税金だって出来れば払いたくない。

でも、税金を集めないと、無料で受けている公共サービスがたち行かなくなってしまう。

また、極端な例ですがトリアージとか。

しかし、それが理解出来ない人がいます。

このような人はトラブルメーカーとなっていきます。

この物語の男は、ラストは陸運局に対するテロを行ってしまいます。

彼は「俺が正しいのに」という気持ちが溜まりに溜まって、爆発したのです。

しかし、一番怖いのは、彼をヒーロー視してしまう世間なのかもしれませんね。

『愚息』は、後味の悪い話でした。

妊婦をひき逃げした息子を救うために、奔走する父親の話です。

この話の嫌なところは、人間の醜い部分を見せつけられるところです。

父親は、貧しい使用人を代理で自首させようとします。

しかし、それを検視官に見破られ、弁護士をまじえての取引になります。

取引が決まると、そこから金額の話になるのです。

妊婦が亡くなっているのに。

検視官、弁護士、使用人の3人が取れるだけ取ろうと金額を吹っ掛けます。

それを値切ろうとする父親。

ラストは唐突にやって来ます。

「そんな話知るか」と言わんばかりに、妊婦の夫が、犯人として連行される使用人を殴り殺すのです。

豪邸の門を境にしての温度差を見せ付けられました。

『Happy Wedding』はカップルのケンカを結婚式でやっちゃった話です。

本当にありそうです。

しかし、新郎くんよ。

浮気相手を結婚式に呼んではいかん。

そして、新婦さんよ。

酒を飲み過ぎてはいかん。

この物語では、ふっ切れた女性の怖さが存分に発揮されます。

復讐鬼です。

しかし、ラストは新郎新婦仲直りして、会場でおっ始めてしまうという・・・。

これって、ソフト・オン・デマンドの映画だったっけ?

ひと通りふり返って、もう1つ気付いた事があります。

それは、対立構造が搾取する側(富裕層)と搾取される側(貧困層)だという事です。

『おかえし』では、ガブリエルはいじめを受けていたり、精神科に通院したり、話を聞いていると良い人生を送っているとは思えません。

対するは、モデル、音楽評論家、教師、医者などです。

『おもてなし』は寂れたカフェの店員と市長選に出ようかという街の実力者。

『パンク』は車を比べれば一目瞭然です。

『ヒーローになりたくて』は、違反キップをめぐった公私の争いです。

『愚息』は金持ちの父親と、彼から金を引き出そうとする人々の争い。

『Happy Wedding』は、会話を聞いていると、玉の輿結婚のようでした。

強者と弱者が浮き彫りになるのです。

そして、それらの物語は悲惨な結末でした。

社会の中では理不尽な事があります。

納得できない事もあります。

しかし、それで争いを起こしてしまえば、悲惨な末路が待っている。

『Happy Wedding』のカップルのように仲直りして、みんなの前でやっちまおうぜ!!っていうファンキーなメッセージが隠されていたのかな?

あれ、やっぱりソフト・オン・デマンド???

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