息もできない

「息もできない」を観ました。

息もできない – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは人前で泣いたことはありますか?

わたしはありますよ。

泣き虫なので。

足の小指をぶつけてビェー!!

お菓子を買ってもらえなくてビェー!!

ドラえもんの映画でのジャイアンを観てビェー!!

泣きっぱなしです。

今回は、膝の上で男泣きの物語“息もできない”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

わたしは、凄まじい暴力をふるっています。

「この~。死にてえのか?おい」

わたしは頭を責めます。

「放して。放してよ。イカれたやつ」

相手は抵抗します。

「何だと?この~。チクショウ」

わたしの言葉にも相手は怯みません。

「いいわ。ねぶりなさいよ。この野郎」

「この~!!」

わたしの暴力は激しくなります。

「放してったら。バカ野郎」

わたしはそんな言葉にも耳を貸さず、きのこの山のチョコの部分を、ねぶってねぶってねぶりたおします。

そして、クラッカーだけにしてやるのです。

これが、わたしの49あるきのこの山の食べ方の1つ。

「一人芝居でチョコだけねぶりたおし食い」なのです。

3.感想

切ない物語でした。

たまらん気持ちになりました。

キム・サンフンは暴力的なチンピラです。

兄貴分のマンシクの貸し金業で、取り立てをしています。

殴って蹴ってお金を取り立てるのです。

初め、わたしは「なんだこいつ!?狂犬やん!!」と思って観ていました。

しかし、観終わった後は、「なんて優しくて哀しい奴なんや・・・」と胸がしめつけられる様な気持ちになりました。

サンフンの生い立ちは壮絶です。

彼には姉と妹がいました。

父親は母親に暴力を振るう男でした。

ある日、母親に暴力を振るう父親を止めようとした妹が、父親に刃物で刺されてしまいます。

その妹を背負い、病院へ走ったサンフン。

それを追っていこうとした母親は、事故にあい亡くなってしまいます。

そして、妹も間に合わず、亡くなってしまったのです。

父親は刑務所に入ることになりました。

こうして、姉とサンフンの二人だけになってしまいました。

彼は、必然的に社会からドロップアウトをしたのでしょう。

そして、父親への憎しみが暴力に転化していったのです。

借金するような父親は、ほぼろくでなしです。

そんな相手だから、サンフンにとっては借金取りは天職だったのです。

父親に似たようなろくでなしから、金をむしりとるのですから。

狂犬のようなサンフンにも、彼なりに可愛がっている相手がいます。

姉の息子のヒョンインです。

これは、自分があの父親とは違うという事を示したいのでしょう。

そんなサンフンに2つの転機が起こります。

父親の出所と、女子高生のハン・ヨニとの出会いです。

サンフンは出所した父親に暴力を振るいます。

小さい頃は抵抗できませんでしたが、今は違います。

そして、ハン・ヨニです。

彼女は、サンフンに物怖じする事なく、接してきます。

サンフンもヨニといると、気が楽になります。

ずっとしかめっ面のサンフンが1度だけ笑うシーンがあります。

それは、ヨニと屋台で食事をするシーンです。

多分、妹が生きていたらこんな感じだったのだろうと思ったのでしょう。

ハン・ヨニも複雑な家庭環境です。

父親は、ベトナム戦争の生き残りです。

ストレスが原因なのか、おかしくなっています。

ヨンジェという弟がいますが、ヨニから金をせびり取り、悪い仲間と付き合っています。

彼女には母親はいません。

すでに亡くなっているようです。

さて、ハン・ヨニの母親ですが、過去に屋台をやっていたそうです。

そして、回想シーンで、屋台を壊す借金取りの中に、若き日のマンシクとサンフンがいます。

そして、母親がサンフンに付けた左腕の傷。

サンフンが着替えるシーンでも、傷は残っています。

はたしてサンフンは、ハン・ヨニの母親を殺したのでしょうか?

傷付けられた時に殴るシーンはありましたが、彼が殺したのかどうかまではわかりません。

とにもかくにも、過去に繋がりはあったのです。

そしてある日、サンフンは、姉とヒョンインが父親と仲良く過ごしている姿を見ます。

また、マンシクからも「父親を許してやれ」と言われます。

しかし、どうしても父親を許す事ができないサンフンは、逆上して「殺してやる」と家に向かいます。

すると、そこには倒れている父親と、亡くなったはずの母親と妹が。

父親が手首を切って自殺をはかったのです。

次の瞬間、彼は父親を担ぎ、病院へ走っていました。

ハン・ヨニは、毎日、父親から「母親はどこへ行った」と聞かれます。

その度に「すでに死んだ」と伝えます。

これはツラい事です。

ヨニにとっては、毎日母親の死を再確認させられている事と同じなのですから。

そして、怒りが爆発してしまいます。

その瞬間、ヨニの父親は刃物を取り出します。

殺されると感じたヨニは逃げ出します。

そこに、サンフンから電話があります。

漢江で会う2人。

そして共に泣くのです。

サンフンは、憎んでも断ち切れなかった父親との血の繋がりに。

ヨニは、愛そうとしても断ち切られそうになった父親との血の繋がりに。

彼らの哀しみは、複雑に絡み合うのです。

そして、心を許しあえるのです。

父親を許す事にしたサンフンは、借金の取り立てを辞める事にします。

父親への憎しみが、だらしない人間への暴力に向かっていたのですから、もう出来なくなったのでしょう。

そして、取り立ての最後の日。

ヨニの弟のヨンジェと、ある家に向かいます。

そこには父親と兄妹が。

父親が息子に言います。

「サンフン。中に入っていなさい」

そうです。

昔の自分の家とそっくりなのです。

父親を殴るヨンジェに「やめろ」と止めるサンフン。

「今回はもういい」と帰ろうとするところを、父親に金ヅチで頭を殴られます。

それでも帰ろうとしたサンフン。

そこをヨンジェに殴り殺されてしまうのです。

「なぜ、ためらうんだ」と。

ヨンジェは、金を稼いで、今の生活から抜け出したいのでしょう。

かつてのサンフンのように。

ラスト、ヨニは屋台を壊す借金取りの集団を見かけます。

その中にはヨンジェの姿が。

そして、サンフンと重なります。

ヨンジェは、かつてのサンフンと同じ道を歩き始めました。

サンフンは、幸せをつかもうとした瞬間、命を落としました。

ヨンジェは、この先どうなるのでしょうか?

それは、わかりません。

しかし、彼が心を許せる相手に出会ったら、また新たな運命が動き出すのかもしれません。

キム・サンフンとハン・ヨニのように。

(Visited 41 times, 1 visits today)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存Evernoteに保存