執行者

「執行者」を観ました。

執行者 – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは、刑務所に入った事はありますか?

「アホか!!」と思ったあなた。

幸せです。

「はい!あります!!」と元気良く答えたあなた。

・・・これからは真面目にがんばってください。

ちなみに、わたしは入った事はありません。

当然ですがな。

今回は、刑務所で働く刑務官の青春物語かと思ったら、非常に重い物語だった“執行者”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

ぺ・ジョンホ刑務官が新任のオ・ジェギョン刑務官を連れて、刑務所内の廊下を歩いています。

物珍しそうに、キョロキョロ周りを見るジェギョン。

「何してる」

ジェギョンは、あわてて先に歩いていくジョンホを追います。

「増員を要請したら、このザマだ。こんなガキを寄越しやがって。刑務所もこれで安泰だ」

ジョンホは皮肉を言います。

「廊下が長くてかけっこができますね。トイレの時に困るな~」

空気の読めないジェギョン。

ジョンホはギロッとにらみます。

「冗談ですよ~」

あわてて取り繕うジェギョン。

「面白いか?」

にらんだまま問い質すジョンホ。

「いいえ・・・」

ジョンホは、顔をくっつかんばかりに近付けます。

「いいか?鉄格子のある場所は、この世に2つ。ここともう1つはど~こだ?」

ジェギョンは、いきなりのクイズに戸惑います。

「制限時間は3分!!」

ジョンホは加山雄三の『お嫁においで』を唄いだします。

「えーと、えーと・・・」

必死に考えるジェギョン。

「燃えるぅ~口づけしよおぉ~♪」

唄い終わったジョンホは、ジェギョンに言います。

「さて、答えは?」

ジェギョンはゴクリと唾を飲み込み、震える声で言います。

「動物園・・・」

ジョンホは「おしい!!」と身もだえをします。

「正解は“元動物園を改造して作った監禁部屋”でした!!」

ジェギョンは「こいつヤベエ!!」という言葉を無理矢理飲み込みます。

そして、作り笑いで「もうセンパイったら~」とごまかします。

「えらい刑務所に来てしまった・・・」

ジェギョンは、暗い気持ちになるのでした。

3.感想

刑務所の刑務官の話なのに『執行者』という邦題がついています。

なぜでしょう?

それは『死刑執行者』という意味だからです。

刑務所にオ・ジェギョンという新任刑務官がやって来ます。

先輩には、来年に定年をむかえるキム・チョルグ刑務官と、受刑者を力で押さえ付けるぺ・ジョンホ刑務官がいました。

キム刑務官は、30年以上この仕事に従事してきました。

そして、イ・ソンファンという60歳の死刑囚と仲良くなっています。

イ・ソンファンは、窃盗に入った時に、そこの家族を3人殺して死刑判決を受けていました。

彼は、20年刑務所に収監されています。

年齢が近いこともあり、その間にキム刑務官と仲良くなっていったのです。

イ・ソンファンは、その間に丸くなったのでしょう。

彼は、刑務所内に問題が起こっても、刑務官側に立って解決をしてくれたりします。

すっかり人のいいおじさんのようです。

ぺ・ジョンホ刑務官は40歳の独身男です。

彼は、「ケモノは自分より強いやつに歯向かわない。自分がどんな人間か知らしめるんだ」と言い、受刑者を力で押さえ付けています。

オ・ジェギョンは、彼を慕い、真似をしていくようになります。

それは、ジェギョンが受刑者に舐められていたからです。

ジェギョンは、ジョンホの真似をする事で、受刑者に舐められなくなっていきます。

ジョンホが受刑者を力で押さえ付けるようになったのには、理由がありました。

彼にはイ・ジンソクという同期の刑務官がいました。

彼は、受刑者に殺されてしまったのです。

ジョンホは、とても強く頼りがいのある男に見え、上司の信頼も厚いのです。

オ・ジェギョンは、次第に刑務官の仕事に慣れていきます。

そんなある日、チャン・ヨンドゥという男が刑務所に収監されてきます。

チャンは、12人の女性を殺害して、その遺体を切断したという猟奇殺人を起こしました。

そして、死刑の判決を受けて、収監されたのです。

彼の事件はセンセーショナルに世間に報道されました。

そして、被害者の母親が自殺をするという事件も起きてしまいます。

この事件を見逃せなくなった政府は、死刑執行の決断を下すのです。

オ・ジェギョンのいる刑務所では、12年ぶりの死刑執行です。

ここでは、チャン・ヨンドゥとイ・ソンファンを含む3名の死刑執行をする事となりました。

方法は絞首刑です。

刑務官3人で一斉にボタンを押し、首に縄を巻かれた死刑囚の足下が開くのです。

この死刑執行には5人の刑務官が必要です。

年長者のキム刑務官と立候補したジョンホ刑務官、あと3人必要です。

しかし、誰もやりたがりません。

そこで、クジで決める事になります。

そして、オ・ジェギョンを含む若者3人が当たってしまうのです。

みなさんは、テレビで死刑執行のニュースを観る事があるでしょう。

わたしたちにとっては、日々の中に埋もれていくニュースの1つです。

しかし、死刑のニュースの向こうには、実際に手を下し、罪の意識に苛まれている執行官がいるのです。

キム刑務官はイ・ソンファンの死刑執行をやりたがりません。

しかし、イ・ソンファンと約束をしていました。

自分の死刑執行はキム刑務官だと。

この約束を守るために、キム刑務官イ・ソンファンの死刑執行を行います。

そして、定年まで1年を残し、辞職をしてしまいました。

ぺ・ジョンホ刑務官は死刑執行のボタンを押します。

しかし、チャン・ヨンドゥの死刑執行で事故が起こります。

ボタンを押しても、床が抜けないのです。

足で踏み抜こうとするジョンホ刑務官。

そして、床が抜け、ようやく絞首刑が成立するのです。

その後、心臓が止まるまで待つ事になります。

首を吊られたままのチャンの前で、オ・ジェギョン刑務官と医者と待ちます。

しかし、チャンはなかなか死に至りません。

そこで、ジョンホ刑務官はチャンの体にしがみつき、体重をかけるのです。

チャンが死なないと、この地獄の時間が終わらないからです。

チャンは血を吐いたのでしょう。

血を浴びながらも体重をかけ続けるジョンホ刑務官。

こうして、死刑執行は終了するのです。

その日からジョンホ刑務官の様子がおかしくなります。

匂いが取れないと血が出るまで体を洗い続けたり、臭いくらい香水をつけたり。

さらに幻聴まで聞こえだします。

それまで、精神的にとても強いと思っていたジョンホ刑務官。

そんな彼が錯乱をして、事故を起こし、病院に運ばれます。

ものすごいストレスだったのでしょうね。

この死刑執行で、それぞれの刑務官に7万ウォンの手当てが出ました。

1ウォンは約0.09224円(2016年6月現在)

7万ウォンは約6457円

みなさんは、6500円足らずの手当てで、死刑執行のボタンを押せますか?

わたしはこの映画で、死刑について考えてしまいました。

しかし、答えは出ません。

これからは、死刑執行のニュースを観るたびに、この映画を思い出すのでしょうね。

そして、死刑執行のボタンを押している方を心配せずにはいられなくなるのでしょう。

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