奪命金

「奪命金」を観ました。

奪命金 – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは大金を手に入れたらどうしますか?

欲しいものを買いまくりますか?

おいしい物を食べまくりますか?

会社を辞めて、サンセットビーチでシャンパンを飲みますか?

わたしは、バスタブにお金を入れて飛び込みます。

今回は、お金に翻弄される人たちの物語“奪命金”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

アパートで傷害事件が起きました。

事件現場の隣の住人が、荷物をまとめ、出ていこうとしています。

「そこを通して」

住人は警官に言います。

「待て。出て行かさん!!」

大家が住人の左手をとり、手首の関節を極めます。

「引っ張るな」

住人は、右手でロープをつかみながら前転をして極められた関節をほどき、大家をフルネルソンにとらえ、ドラゴンスープレックスの体勢に入ろうとします。

「噂が広まると、空室だらけになる」

右足を住人の足に引っかけて、投げられまいとする大家。

「殺人現場に住めるか!!」

なおも投げようとする住人。

「家賃の滞納分は?」

大家は、両手を力一杯降り下ろしてフルネルソンを外し、バックを取り返します。

そして、住人の両手を抱え込んで、タイガースープレックスの体勢に。

「敷金から引いとけ!!」

その住人の答えに怒り心頭の大家は、きれいな弧を描きながらタイガースープレックスを決めます。

近くにいた警官は、和田京平のごとくジャンプをして、住人の両肩が床についている事を確認。

カウントに入ります。

「ワン、ツー、ス・・・」

かろうじて右肩を上げる住人。

警官は右手の2本指を立て、ツーをアピール。

「おおー!!」

という歓声と、ドドドという足を踏み鳴らす音がアパートに響き渡るのです。

3.感想

お金に翻弄される人々の物語です。

初めは意味がわからなかったのですが、ラストには全てがきれいに繋がっていきます。

物語は大きく3つに分けられています。

まず、テレサ・チャンの物語です。

彼女は萬通銀行の銀行員で、投資を受け持っています。

成績はあまり良くなく、クビになりかけています。

銀行が、ブリックスという一攫千金の危険度が高い投資プランを扱う事になり、顧客に勧めていきますが上手くいきません。

そんな時に、顧客であった貸金業者のチュン・ユンが駐車場で殺されてしまいます。

次にチンピラのパウの物語です。

彼は、逮捕された仲間のン・イウワーを保釈させるために、集金に奔走します。

そして、旧友のロー・シウロンを頼ります。

ローは株の投資で儲けていましたが、ギリシャの危機で大幅下落をしてしまい、不正をしようとしてピンチに陥ります。

パウは、チュン・ユンからお金を奪おうと計画するのです。

もう1人は、チョン警部補です。

彼は、アパートで起きた傷害事件を追っています。

また、コニーという恋人と部屋を探しています。

この3人がお金に翻弄されて、間接的に絡み合っていくのです。

結局、香港の経済が混乱する中で、3人は大金を手にする事になります。

テレサは、チュンの依頼で1000万を出金して、出金伝票を発行します。

しかし、チュンは500万しか持って帰らず、500万の入金伝票は「今度でいい」と帰っていきました。

そして、殺されたのです。

これで、500万が浮いたお金になりました。

テレサは銀行の仕事に嫌気がさしていました。

投資を勧め、損をしたら文句を言われます。

命令とはいえ、無茶な投資を何もわからない老人に勧めたりもします。

そして、株価暴落がやって来ます。

テレサは悩みます。

そんな彼女の背中を押したのは、チュンが言った「すべては金が解決する。問題ない」という言葉だったのでしょう。

テレサは浮いた500万を持って、退職するのです。

この退職のシーンもすごかったですね。

テレサが仕事後に上司に辞表を渡します。

すると、上司は「また連絡して」とだけ言って、辞表を鞄に入れて帰っていくのです。

普通の業務連絡を受けた時みたいに。

ねぎらいの言葉も何もなし。

「自分が今までしてきた仕事って何だったのだろうか」と考えちゃいますよね。

しかし、逆にこれで踏ん切りがついたでしょうね。

パウはチンピラです。

良く言えば、気のいい人。

悪く言えば、空気が読めなくて利用されやすい人。

彼は親分に「お前は義理堅い」と言われます。

しかしそれは、裏を返せば「いくら利用しても裏切らない」という意味でもあります。

パウの仲間のン・イウワーが逮捕され保釈金が必要になります。

彼はどうするかというと、知り合いに金をたかるのです。

行きつけの店に行き、店長がやって来るまでずっと居ついたり。

古紙回収をしている男にたかったり。

子分達はそんなパウの姿を見て、愛想をつかして去って行きます。

それはそうでしょう。

カッコ悪いんですもの。

真面目に労働をしている人達の現場に行って、「金が必要なんだよ。貸してくれよ」ってたかるのですから。

パウは旧友のロー・シウロンを頼ります。

ローは株の投資で儲けていましたが、株価暴落でピンチになってしまいます。

そこで、パウがチュン・ユンを襲って、金を作る事になります。

パウは、銀行の地下駐車場に停めてあるチュンの車に隠れます。

手には脅迫用のカッター。

しかし、彼が襲う前に、若いカップルがチュンを襲って金を奪おうとするのです。

結局、チュンとカップルの男は死んでしまい、女は捕まりました。

この時チュンは、テレサから500万を受け取って帰るところだったのです。

パウはその500万を奪って逃げます。

そして、ローの言いつけで、500万で株を買います。

その時、米英独中日5か国の財務省による会議で援助が出ると発表があり、暴落していた株が上がり始めるのです。

これで300万以上の儲けが出ます。

しかし、ローは死んでしまいます。

こうして、その800万以上の金は浮いた物になり、パウが手にするのです。

チョン警部補は、コニーと一緒に住む決心を固められないでいました。

もともとの性格が優柔不断なのでしょう。

しかし、コニーには早く結婚を進めたい理由がありました。

病気の父親と、小さい妹がいるからです。

チョンの煮え切らない態度に業を煮やしたコニーは、萬通銀行のテレサから融資を受けて、部屋を買ってしまいます。

そこに株価の暴落がやって来ます。

これにより、銀行の融資を受けられなくなったコニーは、部屋の解約に行きます。

しかし、100万の違約金が必要だと言われます。

その時、テレビでチョン警部補が追っていた傷害事件のニュースが流れます。

犯人がガスボンベを持って、チョンとエレベーターに立てこもったと言うのです。

現場に行くコニー。

チョンは無事解決して、出てきます。

その間に財務省の発表があり、株価が上がります。

そして、別の顧客がコニーの部屋を50万高い値段で買い取りたいという話が舞い込むのです。

3つの話を経済の危機に絡め、繋げていく脚本は見事でした。

しかし、爽快感はありませんでした。

何かどのストーリーも悲しい気持ちになってしまうのです。

多分、この3人に明るい未来がやって来るとは思えないからです。

それは、わたしが『お金で買えない幸福感』を信じたいという贅沢な悩みからなのかもしれません。

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