地雷震

「地雷震」を読みました。

感想(ネタバレなし)

ひさびさに夢中になって読んだマンガでした。

“ノワール”という言葉がぴったりだなと思います。

主人公の飯田響也は刑事です。

事件を解決するためには、手段を選びません。

その姿は冷酷にも写ります。

この作品は1990年代に連載されていました。

激動の90年代。

神戸連続児童殺傷事件、オウム真理教の事件、沖縄の暴行事件など

それらをモデルにしたであろう事件に、飯田が立ち向かいます。

わたしは、読みながら「作者の髙橋ツトムさんは怒っているな」と感じていました。

日々流れてくるニュースを目の当たりにしながら、どうする事もできない歯がゆさをぶつけているのが伝わってくるのです。

そして、それは当たっていました。

ストーリーごとに髙橋さんの回顧録があるのですが、やはり怒っていました。

それが読み手に伝わるってすごいですよね。

わたしが個人的に好きな話は、とっつぁん(成田)が絡むものです。

飯田が冷静沈着なので、逆にとっつぁんの人情味ある話が際立つのです。

「4月の血」という物語が良かったですね。

古い作品なので読まれている方も多いと思いますが、まだの方は読んでみてください。

特に90年代に青春を過ごされた方なら、その世界にどっぷり浸かれると思います。

感想(ネタバレあり)

飯田響也は、なぜあそこまで物怖じをしないのでしょう?

脅されても、銃を向けられても、何をされても怯える事がないのです。

淡々と事件を解決していきます。

なぜでしょう?

わたしが思うには、彼は『諦観』をしている気がします。

いろいろな事を諦めているのです。

恋人や家族を作らないのもそうですよね。

そんな彼を駆り立てるものは何か?

飯田はタバコを常に吸っています。

銘柄は“HOPE”

“希望”です。

彼は諦観をしながらも、希望を胸に吸い込んでいるのです。

ラストは飯田の影と血でした。

飯田も人間です。

表面に出さないだけで、痛みも辛さも悲しさもあるのです。

八巻やとっつぁんが殺された時も、自分の手で成田敦子の心臓を撃ち抜いた時も。

最後の飯田の影は赤みがかっています。

実は、冷酷に見える彼が1番熱く、情の深い人間だったのではないでしょうか。

この作品には『地雷震diablo』という続編があるようです。

そちらも読まないといけないな。

楽しみです。

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