野火

「野火」を観ました。

野火 – Yahoo!映画

1.はじめに

みなさんは食べる物が無く腹ペコの時はどうしますか?

冷蔵庫の中の物でチャチャッと何か作りますか?

それともコンビニへ走りますか?

はたまた、近所の野菜畑に野菜を盗みに行って見つかり、ボコボコにされ、節子のもとに帰りますか?

今回は、戦争と飢餓によって壊れていく人間の物語“野火”です。

2.あらすじ(妄想スパイス入り)

「馬鹿野郎!!食料も集められない病人を飼っとく余裕はねえんだよ!!」

タムラに対して、上官はさらに罵声を浴びせます。

「防空壕は掘れるのか?せめて防空壕は掘れるのかって聞いてんだよ。ええ!!」

「はい・・・ケホッケホッ」

その瞬間、上官のビンタがとんできます。

「無理だろうが。軍隊を離れろ。病だ。病院へ行ってこい」

奥に座っていた男が何か手に持って近付いてきます。

ケホッケホッ

タムラは咳が止まりません。

「大事に持っていけ」

男は差し出します。

「ありがとうございます」

タムラはそれを受けとります。

咳止めシロップのイチゴ味を握りしめ、タムラは男に深々と礼をします。

男は「部下が元気で働いてくれないとオレ達もがんばれないからな」と言い、白い歯を光らせながら笑顔を見せるのでした。

3.感想

戦争の過酷な状況を描いた作品です。

人間は、生きるか死ぬかの状態になると、本能が活発に働きます。

人間には三大欲があります。

食欲・睡眠欲・性欲。

その中で一番耐え難いもの。

それは食欲です。

戦争中なので食べ物が貴重品です。

食べ物を持っている者が強いのです。

そして、その食べ物が無くなったらどうなるか?

この物語では、3人の人物が出てきます。

タムラとオッサンと呼ばれる人物、そしてナガマツです。

タムラ一等兵はインテリと呼ばれる部類の人物です。

小説を書いているので、軍隊のような体育会系についていけない感じがあります。

困っている人には食料を分けたりする優しさもあります。

しかし、外国人を殺したり、敵の攻撃を受け死んでいく仲間の兵士を見たりして、彼の中の理性が壊れていきます。

ですが、極限状態になっても、最後まで人間としての一線は越えないよう踏ん張ります。

そしてオッサンです。

彼は、弁舌とタバコで食料を集め、親分のような位置にいます。

「弾は自分には当たらない」と言ってカリスマ性を見せたり、手下のナガマツにタバコと食料を交換させてきたりします。

また、右足をケガしているという理由で、肉体労働はしません。

お山の大将のような感じですね。

最後にナガマツです。

彼は、歴戦を生き抜いてきたと語るオッサンにくっつき、動いています。

しかし、オッサンには気を許していません。

オッサンの行動とかを見ていて、その卑劣さに気付いていったのでしょう。

この3人が、戦況が悪くなる中で、どんどん追い込まれていきます。

食べ物が尽き、オッサンとナガマツが選んだ方法は、人肉を食べるというものでした。

タムラも猿の肉と言われ食べてしまいました。

そして、タムラがオッサンに手榴弾を奪われた事で、この3人の均衡が崩れていきます。

ナガマツはオッサンを殺して、その肉を食べ、タムラはナガマツに銃を向けます。

はたしてタムラはナガマツの肉を食べたのでしょうか?

それはわかりません。

しかし、終戦をむかえ小説家として活動しているタムラの姿は悲しいものでした。

食事を目の前にして、両手を組み、体を揺らしています。

自分の中の血肉として生きているナガマツに詫びているのか、目に焼き付いているオッサンを食べるナガマツの姿を振り払っているのか・・・。

どちらにしても、戦争体験はタムラの中に大きなトラウマとして残っているのですね。

わたしが観た限りの戦争の映画で、極限の飢餓状態の人間に焦点をあてた作品は初めてかもしれません。

“火垂るの墓”もありますが、人肉を食べるまでは描いていませんし。

わたしは戦争を知らない世代ですが、このような現実もあったのかも知れないと考えさせられました。

やはり平和が一番ですね。

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