魔術(舞台)

「魔術」を観ました。

魔術 – CoRich舞台芸術!

1.はじめに

平成28年4月24日高知市で行われた回を観賞しました。

中山美穂さん、萩原聖人さん、橋本淳さん、勝村正信さんの4人の舞台です。

中山美穂さんの初めての舞台挑戦という事で話題になりましたね。

わたしの感想と見解をネタバレ全開で書きます。

まだご覧になっていない方は、わくわくしながら公演日をお待ち下さい。

っていうか、観ていないと、わたしが何を書いているのかわからないと思います。

2.感想(ネタバレ)

舞台はおでん屋です。

そこに集まる4人。

「突然、自分以外の人々が消えてしまった」と騒ぐ、萩原演じるサラリーマン。

盗まれた自転車を探しに行き、歩いて帰って来たという勝村演じる中年男。

恋人に別れを告げ、一人旅に出ようとしていた中山演じる女。

「終点だから」と言われ、電車から無理矢理おろされたと言う橋本演じる若者。

彼らがおでん屋を囲んで、なぜ周りの人々が消えて、自分たちだけここにいるのかをやり取りするのです。

ここから完全ネタバレです。

結局、彼らが生きているのか死んでいるのかはっきりしないまま終わりました。

わたしがホールを出るときに、「何が言いたかったの?」「彼らは結局死んでいたの?」「中山美穂を見られたから、まぁいっか」という言葉が耳に入ってきました。

やはり、限られた空間と時間で行われる舞台なので、省かれる説明が多いと思います。

そして、最近の映画やドラマに慣れた方は、その奥にある例えやメッセージを受け取りにくくなっているかと思います。

ここからは、わたしの独断と偏見の感想です。

あっているかあっていないかはあなた次第!!

まず、4人は生きているのか死んでいるのか?

これは3つのパターンに分けられます。

①4人とも生きている

②4人とも死んでいる

③若者だけ死んでいて、3人は生きている

こうなります。

わたしの見解は①です。

サラリーマンが若者に「お前がホームに落ちた男を助けに入って、電車にひかれた」と言っていました。

しかし、サラリーマンはその死体を確認していないので、その若者が死んだかどうか、はたまた本当にその彼なのかは断定できないのです。

この物語の裏側にあるのは、孤独な人々が新たに生きる意欲を取り戻すというテーマだと思います。

女、サラリーマン、中年男には心に喪失感がありました。

女は、一緒に住んでいた恋人と別れた喪失感。

中年男は、別れた妻と子供に会えない喪失感。

サラリーマンは、電車事故を見たことで感じた、今までの自分の生き方に対する喪失感。

3人が出会った事で、それが浮き彫りになるのです。

女、サラリーマン、中年男は、話をしていくうちに、どんどん自分の不遇さに落ち込んでいきます。

しかし、その状況に抗おうとする者が現れます。

それが女です。

彼女は2回屋台の屋根に昇ります。

その瞬間、2人を放っておいて、自分はこの状況から脱出しようとするのです。

飛び出したのが半年前の出来事だと言っていたので、心の整理もある程度ついていたのかもしれません。

しかし、「降りてこい」とサラリーマンと中年男に引っ張られます。

サラリーマンと中年男は、今の不遇な状況から抜け出せないのです。

特にサラリーマンです。

彼は、おでん屋から距離を取っている場面があります。

これにも意味があります。

真ん中にグツグツ煮たっているおでん。

これは、人が狭いところで押し合いへし合いしている社会を表しているのです。

サラリーマンは、そんな社会に嫌気がさして、距離を取っていたのです。

そして、おでんを食べるか食べないかという話も差し込まれます。

彼らは今の社会、不遇な状況を受け入れるか受け入れないかという問いかけなのです。

結局、3人はおでんを食べなかったですね。

この3人を救ったのが、若者です。

若者は3人とは違います。

3人が抱える喪失感は、全く持っていません。

彼の携帯が、おでんの中から出てくる場面があります。

多分、何かの拍子におでんの中に落としたのか?

その着信は、彼女からでした。

若者は、今の社会を受け入れ、繋がっているのです。

ちなみに、彼の乗っていた電車の他の乗客は、老人と赤ちゃんでした。

老人は、3人が抱えるような葛藤は、すでに乗り越えているでしょう。

赤ちゃんは言わずもがなです。

女、サラリーマン、中年が、あーだこーだと言い合っている間に、若者は彼女とおでん屋に帰って来ます。

そして、それを聞いた3人は、真ん中のおでんに手足を突っ込もうとして終了します。

それは、3人が今の境遇や考えを言い合っている内に心が通じあい、社会に戻る決心をしたということを表しているのです。

結局、「生きているか死んでいるか」と言うのは、「社会の中で生きているか死んでいるか」という事なのだと思います。

とまあ、つらつらと考えを書いてみました。

しかし、これはあくまでわたしの感じ取ったものです。

舞台を観てどう感じるかは十人十色です。

戯れ言と受け取っていただき、あなたが感じたものが心にあるのならば、そちらを大事にしてください。

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